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会食まで行きませんでしたorz
次回に持ち越します。
その前に真一くんには嬉しいサプライズvvですよね?きっと。
では、続きからドウゾvv
13.
会食当日。
何で俺まで?と思っても、母さんの言葉に丸め込まれて現在に至る。
スーツを着て、リビングへ向かう。
昨日俺の部屋で、のだめの補習をしていた時に、唐突に提案され、強制的に決定された今日の用事。
その話が目的だったようで、俺から良い回答を得た母さんは部屋を出て行った。
その後、再開させた補習は、十時をもって終了とした。
『お世話になりました』と言いながら、自室へ戻るのだめを送る。
のどの渇きを覚えてキッチンを目指して階下へ降りた。
「補習ねぇ・・・。」
「!なんだ・・・母さんか。」
ミネラルウォーターのボトルを手にして一口含んだところで、後ろから声を掛けられた。
「あなたの部屋でやってるのね?」
「ああ、赤点だったし。学校だと時間気にしなきゃだけど、ここなら平気だろ。」
「時間気にしないねぇ~。ずいぶん気に入ったみたいじゃない?のだめちゃんのこと。」
さっきも何だかいい雰囲気だったじゃない?と言って、母さんはニヤニヤ笑う。
・・・この顔は、何か変なこと考えてるに決まっている。
「彼女ですら部屋に入れたこと無いのに、のだめちゃんは良いんだ?」
「なっ!何だよそれ!」
「別に~。」
そう、考えてみればあの部屋に誰かを入れるのははじめてかも。
千代さんや家族は当たり前に入ってくるが、他人は・・・初めてか?
「そうそう、明日なんだけど。」
「ああ、会食?」
「やっぱり、相手は2人みたいよ。」
ホントに困っちゃうわと母さんは苦笑する。
また、随分な人物に気に入られたもんだな、アイツは。
その相手からの一方的なアプローチを断る意味での、俺の同行。
「言っとくけど、明日の設定はあくまで『恋人同士』ってことでね。」
「ちょっ、ちょっと待て!恋人?」
「だって、ただの同居人で、彼の行動抑制できるわけないでしょう。」
「まぁ、そうだろうけど・・・。でも何で俺なんだよ。」
「俊彦に頼むわけにいかないでしょ?」
年齢は、のだめより年上、俺より年下らしい。
そこに、年下の俊彦を連れて行ったところで、何も助けにはならないだろう。
「本当に、のだめちゃん困ってるのよ。会長はいい人なんだけどねぇ~。」
女たらしッて言葉がピッタリの男らしい。
また、変な奴に好かれたもんだと呆れる。
きっと、あの笑顔を振りまいたせいだろうが・・・。
「まぁ、この家にも色々世話になってるしな。」
「ったく素直じゃないわねぇ。ちゃんと喜んだらどうよ?」
「喜ばしいところどっかあんの?」
「のだめちゃんエスコート?」
高校生相手にエスコートして何が楽しいんだよ?
じゃぁ、夕方からよろしくねと母さんはリビングを出て行った。
* * * *
「母さんは?」
リビングに出て、俊彦に声をかけた。
「のだめさんを着飾るのに奮闘してるんだと思うよ?」
「着飾るって、会食って簡単なやつじゃないの?」
「佐川食品のって、いつも高級ホテル使うから、それなりの格好しないと浮いちゃうんだよ。」
今日の会場も、ここだしと封筒を開いて見せられた。
確かに、三ツ星なんかを貰っているホテルだ。
「おまたせ~。ほらっ、のだめちゃん早く入って来なさい!」
「はうぅ~、恥ずかしいですよぉ~。」
「大丈夫のだめちゃんカワイイよぉ。」
ずるずる由比子と母さんに引きずられるようにリビングへ入ってくるのだめ。
ベアトップのふちに小花のレースが散りばめられ、腰には同系色のリボンで腰の細さを強調する。
ふんわりと広がったスカートの裾にも、小花のレースや刺繍が施されている。
白い肌に良く似合う、ピンク色のそのドレスをまとったのだめ。
上着として、これも花の刺繍が施されたボレロを纏っていた。
顔も少しだけ化粧をしているみたいだった。
髪は両脇に、花をモチーフにした髪留めで耳を出す形でとめている。
いつものメイド服でも制服でもない・・・。
大人な女性となったのだめが居た。
俊彦もびっくりしたみたいで声が出ていない。
俺も、声が出せなかった。
女は化けるとは言うが、これ程までかと思う。
「何か言うこと無いの?」
「えっ、ああ・・・。」
「何よ~?見惚れて何も言えない?」
「な、別に・・・。」
「のだめ変ですか?」
そう言って、俺を上目使いで見つめるのだめに心臓がドキドキした。
「別に悪くないんじゃない?」
「ムゥ・・・また辛口ですか?」
「母さん。何時から行くの?」
「あぅ、逃げた!」
「そろそろ、出るわよ。」
母さんは、クスクス笑ってる。ったく楽しみやがって。
家の前にタクシーが到着したと、千代さんが知らせてきた。
「さ、行くわよ。真一、のだめちゃんよろしくね。」
玄関へ向かい、靴を履いた。
のだめもピンヒールの靴を履いて立ち上がろうとしていた。
「よいしょっと、・・・はうっ!」
「おいっ!ほら掴まれ!」
よろよろとふらつくのだめの前に手を差し出して身体を支えてやる。
「ちゃんと歩け。」
「はい、アリガトゴザイマス。」
へへっと笑うのだめにまたドキリとした。
なんだか、いつもののだめじゃないからなんだか落ち着かない。
「もう、真一。もっとスマートにエスコートできないの!」
「しょうがないだろ!久しぶりなんだから!」
「久しぶり?」
タクシーに乗り込んで早々、母さんからはダメだし・・・。
売り言葉に買い言葉で出た言葉にのだめが気づく。
「まさか、あっちにいて恋人一人も居なかったの?」
「それどころじゃなかったんだよ。学会ばかりで毎日学校と家の往復だけだったし・・・。」
「じゃぁ、彩子ちゃん以来?」
「まぁ、そんなところかな。」
「彩子ちゃん?真一様の元彼女さんですか?」
確かに、彩子以来なんだよな。
のだめを真ん中にして後部座席に乗り込んだ。
俺と母さんの間で顔を左右に振りながら話を聴いている。
「それより、のだめ。今日は「様」禁止な。」
「えっ?」
「いちおう、今日は『恋人同士』の設定なんだろ、母さん。」
「そうそう。」
「ギャボッ、恋人って?!」
「その方が、相手が諦めると思うのよね。」
その為には、徹底的に装っておかないとと母さんはのだめに話す。
それを聞いてのだめは顔を赤くしながら、俺の顔を伺ってきた。
「えと、・・・じゃぁ真一くん?」
「なんで、くんづけ?」
「なんとなく・・・。」
「・・・いいんじゃない?」
少しため息を吐いてみる。
賛同した母さんは含み笑いしてるし…。
「じゃぁ、今日はよろしくお願いシマス。真一くん☆」
「はいはい。」
のだめに真一くんと呼ばれて、少し嬉しい気がするのは気のせいか?
はにかむように笑うのだめが、嬉しそうだったから、俺にも移ったかと思った。
しばらくすると会場にタクシーは到着した。
まず俺が降りて、のだめに手を差し出す。
ありがとございますと言いながら、のだめがその手に自分の手を重ねてタクシーを降り立った。
先に行っててと母さんが言うから、
「じゃぁ、行くか。」
「はい、真一くん。」
腕を少し開けておくと、そこへ躊躇いがちにのだめの手が置かれた。
その手をポンポンと叩くと、へへっと笑うのだめが俺の顔を見つめた。
そして、俺とのだめはホテルの中へ一歩踏み入れた。
さっ、仮『恋人』の開始です。
これが、いつ仮っていう言葉が取れるのか・・・グフフ。
続きをお楽しみにvv