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うわぁ~~~お久しぶりです。
本当に、長かった・・・。
やっとこさパソコン復帰です。
ただ、有線LANなので、コードでこんがらがってますが・・・。
そうそう、我が家のボンが、
今流行の、
新型インフルエンザに罹りました・・・・。
っええ!!っって感じで、普通の風邪だろうと病院に連れて行ったら、
ばっちり陽性でしたorz
というわけで、昨日から自宅療養中ってことで、サクサク更新しますよ。
土日の楽団の練習にもいけそうにないし・・・。
ではでは、更新です。
交響曲編です。
では、続きからドウゾvv
45.魔法使いの弟子
会場に、演奏開始5分前のアナウンスが流れてから、約束どおり5分後。
会場の明かりが落ち、変わりに壇上の明かりが強くなった。
再び現れた清良により、再び音合わせが行われる。
その彼女が席に着いたあと、今度はただ一人、舞台上へ歩き出てきた。
指揮者・千秋真一。
私は、隣にいる人に、
「本当に良かったんですの?」
「いいんですよ。これはご褒美ですから。」
「誰に宛てて?」
「それは二人にデスヨ。」
その人は、ほらっ始まりますよと、口に人差し指を当てながらもう片方の手で、壇上を見るように指をさしていた。
私は、苦笑しながら、壇上にあがる彼の片割れが座る席を見る。
先ほどの演奏時の姿にカーディガンだけを羽織った形で、ロビーで寛いでいた私たちの近くへやって来た。
「のだめの席どこですか?」
自分の両親とぎゃあぎゃあと騒ぐ中、5分前の放送が入ったあとに彼女が聞いてきた。
実は、彼女にと2枚のチケットがある。
一枚は、私たちと同じ場所になる席。
もう一枚は、指揮者の表情もよく見える席。
つまりは、前方の左側隅の席。
どちらがいいか?聞くまでもなく。私は、
「はい、この席よ。ちょっと私たちとは離れるけどね。」
渡したのは、後者の方。
そのチケットをくれたのは
「真一からよ。」
「えっ?そんなこと言ってなかったですよ?」
「私が用意したって言ったら、コソコソ隠すんだもの。無理やり奪ってきたのよ。」
「ハギャッ!」
「ま、つまりは『彼女席』ってことで、さっのだめちゃん。ちゃんとここに座って聞いてやって。」
赤面した顔で、口元があんぐり開いたままののだめちゃん。
その彼女にチケットを握らせて背中をトンと押す。
彼女は、その力をそのまま受けてトテトテ歩いて会場へ戻っていった。
「征子さん?持ってきたやつはどこにあります?」
「ああ、アレですか?控え室一室借りて置いてありますよ。」
「しかし、真一君には本当に感謝たい。コイツのわがまましっかり聞いてくれとったし。」
「ばい~~~。ほんとね。」
「ある意味自業自得のような気もしますがね。でも、よくすぐに用意できましたね?」
「そりゃぁ、あの子がフランス行きを決めた頃からやっとったしね。」
「そんな前から?」
「ああ、みんな呆れとった。」
「そんな言うったって、私の夢だったんばい。」
「まぁ、母親として、それぐらいしか胸晴れるもんなかったとけんね。」
「ひどか~ぁ~~!それだけじゃなかとね!」
「ほんとうにそれだけだろが!恵が料理できんのは、おまんの遺伝じゃ!」
あっ、やっぱり遺伝なのね?
そして、変なところ集中したりするのもきっと母親の遺伝?
本当に面白い親子。
でも、この環境が無ければ、今の彼女は居なかったと思える。
「ほらほらっ、喧嘩は止しましょう。そろそろ席に戻りませんか?」
「せやね。」
「・・・二人してすみません。大人げなく。」
双方照れて、赤くなる二人の背中を押すように私も会場へ戻った。
交響曲 第1番 ハ短調 作品68
ブラームスは、ベートーヴェンの9つの交響曲を意識するあまり、管弦楽曲、特に交響曲の発表に関して非常に慎重であったことで知られています。
この最初の交響曲は特に厳しく推敲が重ねられ、着想から完成までに21年という歳月を要した労作である。「ベートーヴェンからの交響曲の系譜を正統的に受け継いだ名作」として聴衆に受け入れられ、交響曲の歴史上でも最も偉大な一曲という意味で、指揮者のビューローには「ベートーヴェンの第10交響曲」と絶賛されています。
この交響曲はハ短調で書かれているが、これはベートーヴェンの交響曲第5番(運命)と同じ。
また、第4楽章の第1主題はベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章の「歓喜の歌」を思わせるものとなっています。
ブラームスもそのことを十分意識していたととれる発言を残しています。
これも「暗黒から光明へ」というベートーヴェン的な交響曲を意識したためであると言われています。
ブームスは、22歳の時にロベルト・シューマンの『マンフレッド序曲』を聴き、自分も交響曲を作ろうと思い立った。
しかし、ブラームスはベートーヴェンを尊敬しており、自らが交響曲を書こうと思っていてもベートーヴェンを超えるほどのものでなくてはならないと考えていた。
このため、ブラームスは推敲に推敲を重ね、最初の交響曲の完成までに20年を要した。
もっとも、20年間ずっと推敲を重ねていたのではなく、何度も一から書き直すような過程があったと考えられています。
この過程で破棄された旋律は、ピアノ協奏曲第1番の第2楽章や『ドイツ・レクイエム』に転用されています。
結局、この曲を完成するころには、彼は43歳を迎えていたのです。
これだけの時間を要したのは、必ずしもブラームスが遅筆であったわけではありません。
当時は、ワーグナーやリストといった前衛的な作曲家は既に交響曲という古臭い形式から脱却し、それぞれが楽劇や交響詩といった新たなジャンルを開拓していた時代でした。
また、交響曲のジャンルの中においても、ベートーヴェンの死後すぐにベルリオーズは幻想交響曲を発表していました。
しかしながら、聴衆が求めていたのは、ベートーヴェンの交響曲を正統的に次ぐ新しい作品。
そのような作品として、ロベルト・シューマンは4曲の交響曲を発表したが、それらも必ずしも聴衆の期待に応えうるような作品にはならなかったのです。
古典的な交響曲を待望するこのような聴衆の存在が、交響曲を完璧に仕上げなければならないという使命感をブラームスに負わせ、ブラームスもそれに誠実に応えたため、このような時間を要する結果となったのでしょう。
そんな時、彼を支えたのは、クララ・シューマン・・・。彼女であった。
彼女も、夫ロベルトが、精神的に病んでいく姿を最後まで看取り、結局は自殺という最悪の状況で夫との永遠の別れを経験していた。
その彼女を影ながら支えたのが、ブラームスであった。
ロベルトを通して、知り合った二人は、叶わずとも淡い恋心は持っていたのだろうと考える。
ただ、その方向は、一方通行のまま最後まで向き合うことはなかったということ。
ただ、その二人には同じ思いが心にあった。
彼が辛いとき、私は彼の隣にいたい。
彼女が辛いとき、私は彼女を支えたい。
看病している彼女に宛てて、ブラームスは多くの楽曲を手紙とともに送っています。
この交響曲の中にも、第4楽章へその一節が盛り込まれています。
彼が、この楽曲が完成した時、先ず第一に聞いてほしかった人間。それはきっとクララであったと。
その淡い恋心。しかし、相手を思いやる深い深すぎる愛を抱えたまま、ブラームスは生涯独身を貫き通したそうです。
初演の演奏も、素晴らしかった。
単純にあの背中を追いかけたいと考えた。
置いていかれたくなくて、必死だった。
あの頃の自分には、ただあの背中を見つめるだけしかできなかったから。
けど、今はどうだろうか?
さっきのコンチェルトは成功した。
それだけではない。
少ないけれど、色々な演奏会もやってきた。
自分も着々と経験を積んできている。
今日、この演奏を聴くのが実は怖かった。
なぜだかわからないが、すごく怖かったのだ。
あの時の純粋の気持ちがなくなってしまっているのではないか?
やっと近づいてきたと思えたけれど、それは錯覚だったのではないか?
心の中に色々な葛藤が生まれる。
でも、『聴かなければいい』という結論にだけはならなかった。
私には、彼の音楽を受け止める義務がある。
彼がそう、望んだ。
そして、この子にも。
聞かせてあげなければ・・・。
のだめは、演奏を聴きながら、ずっと自分の下腹部を擦り続けた。
最後の盛大に鳴り響く音楽。
それを、俺の指揮棒により、終了を告げる。
下ろした指揮棒に反応するように、会場全体が拍手の渦に飲み込まれた。
最初の初演に比べて格段の成長であった。
拍手に包まれる会場を背中に感じながら、演奏を終えた彼らの顔を見る。
満足し、高潮した空気が流れる。
俺は、そんな彼らを立たせる。
そして、称えるように拍手を送った。
俺も後ろを振り返り、お辞儀をした。
そのあとだ。気づいたの。
あの・・・クソ・・・。
ブラボー!と叫ぶ声を聴きながら、結局ショウガナイという顔で彼に笑いかけた。
してやったり顔を眺めた後、俺は自分の右手側に座る人へ視線をずらす。
そこには、涙を目にいっぱい溜めて、微笑む恵の姿だった。
俺は、恵に向かって口だけで言葉を伝える。
恵はわかったと、うなづく。
その仕草を見て、俺は壇上から舞台裏へ引き上げた。
千秋様が、壇上から降りても、拍手の渦は止まることが無かった。
みんながそれだけ、満足してくれる音楽だったということがわかった。
リュウちゃんが言ってたわ。
『払い戻しの要求は1件も無かった』って。
確かに、最初はシュトレーゼマンの凱旋公演だ。
それが急遽中止。代振でその弟子(愛弟子って言っていいかしらね?)の千秋真一指揮となった。
払い戻しには応じてくれと彼は言っていた。
でも、リュウちゃんが言った通り、そんな心配要らないと私も思った。
その事実を伝えた時、彼はすごくうれしそうな顔をしていた。
日本に居た頃、彼のこんな顔を見ることは無かったように思う。
その表情を引き出したのが、あのひょっとこ娘だということに少なからずとも嫉妬を覚えたが、
心の奥底では、彼女でよかったと思う自分がいる。
あの記事が出たとき、信じられなかった。
だから、笑って違うと言う彼らを見たかった。
そんな安易な考えで、記事を送りつけた。
その時、考え付かないような窮地に追い込まれていた彼らに。
けれど、その後の続報記事。翌日それを取り消すように記者を捲くし立てた彼の記事。
最後の記事を見て、今までの記事が嘘だったのがわかった。
そして、その記事を見て傷ついているであろう彼女を守るようにした彼の姿。
日本に居る頃から、わかってた。
私の恋は叶わないということを。
それでもいいと思えたのは、彼女だったから。
認めなくはないが、彼女は、女性として好きになった私の初恋の人なのかもしれない。
これは、悔しいから絶対教えてあげない。
墓場まで持って入ってやるんだから。
死後の世界なんて私は信じていないが、そこで会うことがあれば初めて話してあげてもいいかしらね?
鳴り止まない拍手の中。
僕は無意識に、彼女を目で探していた。
そして、やや後方になる席に座る彼女を見つけた。
僕が見ているのに気づいた彼女は、口で『最高』と伝えてきた。
その周りにいる彼らにも、僕たちが見詰め合っているのがばれたみたいで、
彼女は、隣に座るフランクやユンロンに色々言われているみたいで、顔は真っ赤になっていった。
僕は、その姿を見てクスリと笑う。
そうこうしている中、拍手の音が再び強くなった。
千秋君が、マイクを持って壇上へ戻ってきたのだ。
彼を追うようにスポットライトが動く。
指揮台へ着いた彼は、会場へ向かってお辞儀をしたあと、そのマイクに向かって話し始めていた。
「ご静聴ありがとうございました。」
そう彼が話し始めると、拍手の渦がすっと引いていく。
「今回、アンコールということで、ちょっと今までのオーケストラ公演とはちょっと趣向を変えたものを用意しました。」
通常、オーケストラ公演のアンコールといえば、約5~8分程度の短い曲を2・3曲。
ありがとうという気持ちを込めて演奏をする。
その演奏するのも、大抵はオーケストラで。たまには、ソリストだけが壇上に残り演奏するなんてこともある。
「今回は、ヴァイオリンとピアノの二重奏をお送りします。つきましては、準備がありますので、これより15分ほど休憩時間とさせていただきます。」
『三木清良と野田恵の二重奏をやるから。』
恵ちゃんを含めて練習するようになった1週間たった頃だった。
今回のアンコール曲は何やるのか?と質問された。
しどろもどろになる峰君を見るに見かねて、話し始めたのは千秋君だった。
『今回は、二人にアンコール曲をやってもらう。のだめにも清良にも了承もらってるから。』
『へぇ~、女の子同士の二重奏ね。そりゃ楽しみだ。』
ニヤニヤしたのは、やっぱり菊池君。峰君がけん制して睨んでるし。
千秋君も何か睨んでる?
まぁ、何はともわれアンコール曲はヴァイオリンとピアノの二重奏ということで決定した。
どうやら、練習終わったあと、清良が恵ちゃんの元へ行って練習しているらしい。
結局、二人が合奏しているところは誰も聞けていない。
峰君も聞いてないということだ。
公演までの1・2週間近く、練習が終わると千秋君は峰君を連れて、どこか行っているみたいだから、彼も聴いていないと言っていた。
拍手に押されるように、壇上を降りていく彼の背中を見送る。
壇上のライトが落とされ、僕はフゥーーーッと一息ため息を落としたあと、立ち上がった。
はい、これで、交響曲編は終了です。
なんとか1つにまとまりました。ハフーーーッ・・・・。
今回は主観がころころ変わっているので見づらいと思いますが、クレームバッチコイ!
何かあれば、コメントにお願い致します。
で、どうでしたかね?全体的感想・・・。
コメント渇望中です!!!!!!
では、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いしますvv
コメント さぼりました><
千秋のブラームスは のだめにお腹の子にどう響いたことでしょうね。
彼の音楽あってこそ ですものねvvv
お互いで創り上げて 互いの音を聞いて
それなしではいられないですよねww
次回は 清良とのだめ初共演 どんなステキな演奏が聞けるか楽しみです!!
まとまらずごめんなさい!!
ではまた
早速のコメント毎回ありがとうございますvv
えっと、期待させて申し訳ありませんが、ちょっと清良とのだめのは裏がありまして・・・。
ドラ様が良いほうなお話であればいいのですが・・・。
今度の更新をご覧下さい。
ではでは、本当にコメントありがとうございました。
引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします。