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久しぶりにこの時間更新ですねぇ。
明日は、楽団の練習なんで、今日まとめて投下していきますので、
楽しんでいただけるとうれしいです。
なんか、ポチポチと拍手をクリックしていただておりまして、
本当にありがとうございます!
そして、コメントまで・・・ヨヨ(涙)
AGEHA様、同じ子育て&仕事しているのに、お気遣いありがとうございますvv
現在、ボンはコタツの中でお昼寝中(布団は久しぶりに干せたので、こんなところで寝かしたまま・・・)
では、本日はpoco a pocoシリーズをサクサクッと投下していきますね。
うんと、ご主人様シリーズは、ちょっと待ってください。
少し書き溜めしてから投下しますので・・・。
ではでは、続きからドウゾvv
4.tranquillo(静かな・・・)
講義終了とともに、指定された練習室へ足を踏み入れていた。
まだ誰も来ていなかった。
―少し早く来すぎたか・・・。
練習室の真ん中に設置されたピアノの蓋を開ける。
椅子に座り、フゥーッと息を一息吐き出す。
そして奏で始めたのは、ショパンの幻想即興曲。
講師の云うとおりにしない俺の演奏。
でも、違うと思う音を奏でることは自分のプライドが許さない。
俺なりに解釈しての音。
けど、これを分かってくれる人は少ない。
最後の一音を弾き終わって、肩の力を抜いた時だった。
入り口近くから、パンパンと手を叩く音が聞こえてくる。
ちょうど逆光で、その人の表情を見ることはできなかった。
けれどシルエットで、その人が女性であるのはわかった。
長い髪。そして華奢な身体。
カツン・・・カツン・・・・・・とヒールの音を響かせて近づいてきた人。
その顔に光が当たって、輝く瞳を見て俺は動けなくなった。
「あなた、ピアノ上手ね。・・・個性的なショパンだけど。」
「ああ、どうも・・・。」
「でも、何か音が足りないわよね・・・あなたの音楽って・・・。」
「音が足りない?」
整った目鼻立ち。
東洋人らしい黒く長い髪。
ニコリと微笑むその笑顔に心が囚われた。
話す言葉も、かわいらしい声で、それに耳も囚われる。
音が足りない・・・。
なんだそれ・・・。
怪訝な顔をしている俺に対して、彼女・・・ミーナが言った言葉。
それが俺の人生を大きく変えた。
「あなたすごい才能があるわよ。・・・でも音が足りないの・・・。」
「・・・・・・。」
「そう、指揮よ。あなた指揮者になったほうがいいわ!」
微笑みながら言葉をつむいだ彼女を俺はずっと見つめていた。
* * * *
「ちょっと待て!聞いてないぞ!この話!!」
「今言ったわ。」
「今?ったく、クソッ!どうせ拒否権無いんだろ?」
「当たり前よね。」
何だその、シュトレーゼマン音楽祭って!
早めに言えってんだ!
しかも、
「その前に俺、学園祭の客演指揮の仕事入ってなかったか?」
「入ってるわよ。」
「それもやるんだろ。」
「もちろん。」
どんなにココで、エリーゼに言ったところで、状況がひっくり返った事は、経験上ない。
さっ、サインサインとせがまれ、渋々書類にサインを入れた。
「じゃ、構成についてはよろしくね。」
「構成まで丸投げかよ・・・。」
「いつもの事デスよ。」
至極当たり前のように、隣に座った恵は紅茶に口をつけた。
嫌々、書類にサインをするとパッと取り上げられ、封筒に仕舞われる。
「こらっ、キョウ!危ないよ~。ほら、こっちおいで~」
「あうぅ~~~!」
響一はというと、事務所にいるオリバーを見つけた瞬間、オリバー相手に遊んでるし・・・。
「学園祭の仕事ってなんですか?」
「ああ、桃が丘大学の学園祭で客演してくれって。」
「桃が丘デスか?いつ?」
「恵の仕事と同じ頃よ。」
話に入ってきたエリーゼは、仕事は終わったとばかりに、取り出してきたビールを飲みジャーキーを食べている。
「ぎゃぼっ、じゃぁ一緒に日本帰国ですねぇ~。」
「日本で仕事なのか?」
「はい~。ヴァイオリンとのコンチェルトです。」
「ふ~ん。」
コンクール優勝したばかりの新人さんとデス。らしい・・・。
なら、久しぶりに里帰りも兼ねてってことになっていたらしい・・・。
「決まったのいつ?」
「先週デスよ。」
「はぁ?決まったら連絡しろよ・・・。」
「だって、帰ってくるの分かってたし。」
相変わらずか・・・この性格・・・。
「ほらっ、これで終わりだろ。帰るぞ。」
「そですね~。響くん~。帰りますよ~。」
「あい~~~~!」
俺の足元に来た響一を抱き上げると、パアパ~と声を掛けられたから、どうした?と応える。
それを見ていて
「なんか、いまだに違和感があるわね。チアキの子育てぶりって。」
「なんだそれ、エリーゼ・・・」
「俺様チアキ様が、パパですからねぇ~。」
「恵まで・・・。」
確かに~といいながら笑う二人に、ため息だけしか出ない。
しかも、オリバーには肩を叩かれるし・・・。
そんなエリーゼとオリバーに見送られて、事務所を後にした。
そんなこんなで、日本への帰国が決まったのだった。
ささ、第一弾投下!チュドーーーーン!
少しは動き出しましたよね?
うふふふ、これから楽しんでいただけると・・・
では、この後も何品か投下予定っす!
デハデハノチホド・・・vv