[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
早くも40台を迎えそう・・・。
いつ終わるんだこの話・・・。
行き当たりばったりで書いている今日この頃・・・。
お付き合いいただいている方々には、頭が下がる思いです。
そして、ステキコメントをいただけるのも本当にありがたい!!
えっと、ではでは更新です。
今回は、のだめちゃん紹介~あたりですかね?
では、続きからドウゾvv
38.英雄
「お!来た来た!千秋!!」
ドアを開けると、指揮台近くで峰は立って話をしていた。
俺が少し遅れると連絡しておいたから、先に連絡事項などの話をしていたのだろう。
演目等には修正はなく、ただ指揮者名の欄に俺の名前が入ってホームページはUPされていた。
いちおう、払い戻しには応じると書いといてくれと頼んでおいた。
『そんな心配しなくても大丈夫だろ?』と峰は言っていたが・・・。
未だにソリストの名前は伏せたまま。
今回は、急遽オケ共演者達にだけは、先に披露ということになった。
俺のあとに続いて入った恵・・・いや、『のだめ』は、「ウキュ~~、オケストラです!」なんて奇声吐いてるし・・・。
一応、皆の前では、名前で呼ぶのは止めようと言う事になった。
しょうがないだろ、恥ずかしいものは恥ずかしい・・・。
昨日一応練習で呼び合ってみたものの・・・。
逆に久しぶりに『先輩!』と恵が呼び、『のだめ』と俺が言うのは恥ずかしい気がする・・・。
「遅れて悪かったな。」
「すみません。」
ドアの前でつないでいた手は、自然と離された。どちらからともなく・・・。
「連絡事項は以上だ。・・・さっ!千秋あとは頼んだぜ!」
そう言って峰は自分の席へ戻っていく。
メンバーを見ると、皆の視線がのだめへと注がれていた。
初期の頃からいるメンバーは、なんでのだめちゃんが居るの?なんて顔している奴もいるし、
フランス国内のコンクールで優勝しているのだめのことを知っている奴もいるみたいで、『野田恵じゃん・・・』なんていっている奴もいる。
「じゃぁ、今日はまず一番最初に、・・・昨日言った通り、今回のソリストを紹介します。」
一歩下がったところにいた、のだめの背中を押して皆の前に立たせた。
何?という顔をするのだめに、口パクで『自己紹介』と伝える。
「えと、今回ソリストとして、共演させてもらう野田恵です。『のだめ』って呼んで下さい!よろしくお願いしますッ!」
毎回自己紹介の時、『のだめ』っていうあだ名を紹介しているらしい。
そういや、ジジィと共演したときのコンマスに会った時、『のだめちゃん元気にしてる?』なんて聞かれたこともある。
万国共通に使えるあだ名『のだめ』・・・。発音しやすいし、覚えられやすいから使っているというわけではなく、もう習慣みたいなものなのだそうだ・・・、のだめによると・・・。
「いちおう、この桃が丘大学も居たことがあります。卒業してませんが・・・。」
「お前・・・、どこから話していくつもりだ・・・。」
「そりゃぁ、先輩とのだめのラプソディを!皆さんに語ってですね!」
「ふざけんなーーーー!」
「ギャボーーーー!!?」
やっぱり、変態。読めるようで読めないこの行動。
そんな話タラタラ聞かせた所で、時間ばかりかかるだけだろ!
しかも、好奇心旺盛なこのメンバーにそんな話したらどうなるか考えろよ・・・。
指揮棒をのだめに向けて放り投げた。
「とりあえず、ピアノ弾け!」
「はぁ~~い。」
のだめのピアノを聴いたことある奴は、このメンバーであっても極少数だ。
桃が丘時代は、『楽しいピアノ』を謳歌していたのだめは、ふざけた曲しか弾かないし・・・。
唯一真面目に弾いたのは、コンクールのときだけだろう。それも失敗に終わってるし・・・。
こいつが本当に伸びたのはフランスに行ってから・・・。
いつの間にか俺の元から飛び出して、フラフラ色んなものを見て感じて思って記憶して、そしていつの間にか俺の元に帰ってくる。
その度に、一番近くで見てきた俺ですら音の成長に驚くとともに、羨望感があった。
俺は、そういう風に吸収する性格ではない。むしろ実直に音楽に、譜面に向かうのだ。
作者の背景や心情を汲み、この人がどんな音楽を奏でたいのかを読んでいく。
のだめは、基本直感的にそういうのを読み取って奏でることができる。
・・・まぁ、たまに外れることもあるが・・・。
だが、音楽院卒はバカにならないのか、近頃はその力が大いに発揮されているように感じる。
もとより耳が良いのも、音楽家として恵まれた才能だろう。
「何弾くんだ?」
「何がいいですか?」
「・・・決めてないのか!!」
「だって、急に言われても・・・。」
とりあえずピアノ椅子に腰掛けたもののどうしましょう?とか言ってるし。
しかも『もじゃもじゃはいかがですか?』・・・喧嘩売ってるのかお前は・・・。
「リクエストしていい?恵ちゃん。」
「黒木くん!!えと3週間ぶりぐらいですかね?」
「そうだね。元気そうで何よりだよ。」
「リクエスト大歓迎です☆何がいいですか?」
そして、奏でられた演奏・・・。
ショパン 別れのワルツ
こないだの演奏会で演奏した曲だった。
そうか、俺は聞けなかったんだ。
あの日は本当にバタバタしていたから・・・。
この曲は、演目変更をして演奏した事をあとから知った。
なんで、この曲にしたのか・・・。
胸が痛くなった・・・。
のだめは、ショパンと同じように心の中に思いを閉じこんで・・・。
『黒木くんいじわるですねぇ・・・』
本当に小さい声で囁いたから聞こえたのは少なかった。
黒木くんは聞こえたみたいで苦笑い。
俺は・・・
演奏は素晴らしいものだった。
オケのメンバーの息を呑む音が聞こえた気がした。
ざわざわとしていた室内が、静まり返り、その中をピアノの音が響く。
悲しい別れとなったショパンの思いをピアノの上に奏でていく。
今、あいつ何を思いながら演奏しているのかが気になっていた。
約4分程度の演奏が終わり、シーンと静まり返る室内。
一拍おいてワァッと歓声と拍手の渦が巻き起こった。
「やっぱり、のだめのピアノはすごいよなぁ・・・。」
「本当に、音の粒が見えるみたいで、すごい。」
峰に清良が感想を言っているのが聞こえた。
その後は、他のメンバーからもリクエストがあり、次に演奏したのは、
モーツァルト ピアノソナタ第8番
マラドーナピアノコンクールの決勝の時に弾いた曲だ。
あの時感じた、『オーケストラの音』。
ピアノはそもそも、1台でオーケストラと言われる楽器だ。
それでも、のだめの演奏する音は、さらに上の音を奏でていく。
あの頃よりも、数段・・・いや、格段にレベルアップしているのがわかった。
今、俺があいつにあわせるのは難しいだろうな。
これも、拍手の中演奏が終わった。
立ち上がったのだめは、お辞儀する素振りを見せ、俺の隣へ来ていた。
どうでした?みたいな顔で俺を見ていたのだめに、
軽くニッと口角を上げるだけで答える。
それだけで、のだめの顔はパァッと花が開くように微笑みに変わった。
「さ、じゃぁ10分後、早速コンチェルトの方から一回合わせてみよう。」
そのまま指揮台を降りて、のだめを連れて俺は練習室を出た。
そして、隣の部屋も一部屋借りてあり、そこにはピアノを用意してもらっていた。
その部屋に入って、ドアを閉めた。
自己紹介も兼ねて、皆さんの前で演奏をした。
リクエストされたのは、別れのワルツ・・・。
本当に、黒木くんは意地悪デスねぇ・・・。
今、思い出しても胸が痛むのに・・・。
あの時本当に、ショパンのように恋心を閉じ込めて、真一くんとお別れしようとしてた。
結果、そうはならなかったものの、あの時を思い出すこの曲は、酷く自分を悲しくさせたような気がした。
モーツァルトの曲も、久しぶりに弾いた。
コンクールで演奏した曲。
真一くんに置いて行かれたくなくて、必死だった。
けど、結局失敗。
あの時もだいぶ落ち込んだなぁと思い出した。
でも、そうだ。
『すごくいい演奏だった』と初めて褒められた曲でもあった。
演奏終わって、真一くんの元へ戻り、彼の顔を窺うと、口角を少し上げただけだったが満足という顔だったから嬉しくなってのだめも微笑み返していた。
そして、現在。
隣の部屋に連れてこられて、ドアが閉まった瞬間。
のだめは、真一くんに抱きしめられていた。
「・・・ごめん。」
「何がですか?」
「別れのワルツ・・・。」
「ハゥ、黒木くんに聞いたんですねぇ?もう本当に黒木くんってばイジワル!」
「それに、モーツァルト。良くなっててビックリした。」
「そですか?良かったです。」
本当に鋭い人。
のだめがどんな思いを考えながら演奏しているのかわかったのかな?
抱きしめられたまま、暫くのだめは動けなかった。
彼の胸に耳を当てて、『トクン・・トクン・・・』という心臓の音を聞き入った。
すごく安心する・・・。
そして、この安心を手放さなくて良かったと本当に感じた。
するっと自分の腕も真一くんの胴体へ巻きつけた。
それを確認するかのように、顔をあげた真一くんとの視線がぶつかった。
「・・・恵・・・。」
「・・・真一くん・・・。」
近づいてくる影を感じながら、瞼をゆっくりと落とす。
そして、あと数センチのところで・・・。
「「「「「「わぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」
という盛大な音が聴こえた。
のだめも真一くんもビックリして、バッと目を開けて音のした方向へと目をやる。
そこに居たのは。
「やべぇ!逃げろ!!」
「千秋君の雷落ちるわよ!!」
「キーーーーッ、ひょっとこ娘ぇ!!許すマジ!!でも、とりあえず逃げないと千秋様に殺されるわー!!」
「あともうちょっとだったのに・・・。」
「菊池くん・・・。そもそも覗きはやばいよ!!」
「そういいながら、一緒に来てるじゃない・・・。」
「相沢の言うとおりだよ。ま、とりあえず退散しないと本当につかまったら洒落にならないと思うけど?」
そして、再びわぁぁーーーーという声を上げながら部屋を出て行く。
「とりあえず、お前はここに居ろ。」
そう言った、真一くんは皆を追いかけるように部屋を走り出て行った。
「ふざけんなーーーーーーーーーー!!!隠れてないで出て来い!!」
暫くその怒声は、ここら一体の廊下に響き渡っていた。
はい、本日はここまで。
ん~~~~、眠い!!
明後日は、オケのトラ出演。
明々後日は、友達の結婚式の2次会。
わぉ久しぶりに予定の詰まった連休になrそうです。
でも、お金ない・・クスン・・・
今回も楽しんでいただけましたでしょうか?
コメントお待ちしております。(欠乏症発症中!!)
今回はのだめちゃんの実力と痛みがはっきりと出た感じですね。でもでも千秋もすべて理解しているようで、シリアス調ですが愛を感じて私もうるうるしました。これからも応援します。!
そして、コメント感謝でいっぱいです!!!
楽しんでいただけているみたいで嬉しいですvv
なんだかんだいいながら、大台40を迎えていつ終わるのか分からない状態です・・・。
こんな感じですが、引き続きお付き合いいただけると光栄ですvv
よろしくお願いします。
またのお越しをお待ちしております(^o^)v