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の/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、他の二次創作・二次小説の館です。 ご不快な方、ご理解頂けない方は、ご遠慮下さい。 かなりな、ムラッ気がありますので、更新はまちまちです・・・(爆)
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更新です。

とにもかくにも読んでいただきましょう。今日は・・・

また、最後にお目にかかりますvv

ではでは、続きからドウゾvv

23.JE TE VEUX


病室に戻ってきたターニャと共に、今日はとりあえず病院を後にして、明日の朝また様子を見に来ることにした。

実際には、目が覚めたとき一番に、あいつの前に居たかったのだが、麻酔が効いているからしばらく目を覚ますことはないと、看護士に言われて渋々という感じだが・・・。

今は、病院のロータリー前で、黒木くんがこちらに向かっているということなので、待ちぼうけ。
隣にいるターニャは、笑いを一生懸命かみ殺しているようだ。

「・・・ククククク・・・千秋・・・捨てられた子犬みたいな顔になってるわよ。」
「うるせー・・・。」

図星だから顔が熱くなる。
手持無沙汰から救急車に乗った後に、電源を落としておいた携帯の電源をONにした。
画面に移されたのは、着信履歴、

「20件?!」
「なにが?」
「着信履歴・・・、あっ、ジジィから・・・」
「ジジィ?」
「ああ、シュトレーゼマン。」

ちょっとごめんとターニャに言って、俺は電話をかけていた。

「チアーーーーキ!!遅い!何やってんですか!!」
「・・・す、すみません。」

大声でしゃべるな。

「のだめちゃんは?」
「ああ、聞いたんですね。大丈夫です。まだ寝たままですが。・・・どちらも無事です。」
「そうですか、良かった。」
「あなた、知ってたんですよね。のだめの・・・」
「ええ、いちおう。」

教えてくれても・・・といっても、きっとどんなことしても言うつもりなんてなかっただろうけど・・・。

「それで、結局どうなったんです。」
「・・・捕まえられてない・・・でしょうね。」
「・・・そうですか。・・・なら延長しましょう。」
「延長?」
「そう、明々後日には、私は日本へ行きマース。それまでにのだめちゃんとちゃんと話をして、捕まえられたらまた連絡しなさい。ご褒美を上げマース。」
「あの、そのさっきも言ってたご褒美って?」
「ヒミーツです!内緒です!知ってからのお楽しみです!」

だから、叫ばないでくれ。
耳がおかしくなりそうだから、少し携帯を離した。

オリバーが運転する車を降りるときに、ジジィに少しだけ引き止められた。

「千秋!・・・どんなことがあっても、のだめちゃんを受け止める覚悟はありますか?」
「どんなことって?何ですか?」
「僕の口からは、言えません。のだめちゃんから聞くべきです。」
「・・・そうですか。・・・受け止める覚悟は出来てます。当の昔に・・・」
「ならいいです。さっ!さっさと行きなサーイ!ちゃんと捕まえられたらご褒美考えますから☆」
「なんですかそのご褒美って・・・?」
「楽しみは後で取っておくモンですよ!!」

そう言って送り出された。まぁ、とりあえず、最初の期限としてはあいつが演奏会を終わらせるまで。
でも、それも途中で演奏会は突如中止、のだめは緊急入院ということで、期間は延長。

っていうかそもそも、俺はあいつを手放す気はまったく無いけど・・・。

では、また電話しなさい!と一方的に電話が切れた。

「ご褒美って?」
「教えないって。」
「何それ?本当にシュトレーゼマンって変わった人なのね。」
「奇人変人、音楽がなかったら人間以下じゃないか?」
「・・・それは、千秋ものだめも一緒でしょ。」

確かに、音楽がなかったら俺何してるかな?
わからない。
のだめはそもそも人間以下の生活力しかないし・・・。

また笑いを噛み殺すターニャに、半分呆れながら、辺りを見渡していると、
おそらく黒木くんが乗っているだろうタクシーが近づいてきていた。








翌日。
朝の面会時間開始とともに、俺は病室にいた。

結局、昨夜家に帰ったところで、寝ることなんてできなかった。
その結果、早朝にもかかわらずこの病室に来ている。
っていうか、午後からはマルレの練習だから長居はできないが。

相変わらず寝続けるのだめ。
昨日、警察とかの処理をしてもらった黒木くんからどういう状況の事故だったのかを聞いた。
そして、のだめらしいと感じた。
どんな状況においても自分の事よりも、周りの人の為に動くことが出来る。
でも・・・

「腹に子どもが居るのに、道路なんかに飛び出すんじゃねぇよ。ったく・・・」

独り言とともに、あいつの髪をすく。
パラパラと落ちる茶色の髪。
だいぶ血色も戻ってきた頬にも手を伸ばす。
右手全体でのだめの左頬を包む。
早く目を覚ませよ。
そして、抱きしめたいんだ・・・。
しばらく俺は、ベット脇に椅子を持ってきて、あいつの顔を眺めていた。


さてと、今日はそろそろ行かなければ。
明日は本番。

「じゃ、行って来るな・・・。」

そのまま右手の親指でのだめの唇に触れたあと、自分の唇も重ねて・・・。
病室を後にした。







夕方。
今日の練習はすごくうまく行った。
昨日まで掴みたい音がするすると落ちていく感覚ばかりに心がイライラしていたが、
今日の練習では、ちゃんと表現したい音が出せた。
シモンからも「やっと元に戻ったな」と言われた。

やはり、支えてるんじゃなくて、支えられてる・・・。
いつの間にか、俺の中心には、のだめが居て・・・。
記憶が無かったとき、隅に少しだけあいつの記憶があった。
それが誰なのか知りたくて知りたくて・・・イライラしていた。
それが音楽に出てきてたんだ。
それも、今は記憶も戻り、目の前にその存在が居る。
精神安定剤のように、のだめの存在一つでこうも変わるのか・・・。

相変わらず寝たままらしい。
昼間は、お友達が来てましたよ。と看護士から聞いた。きっとターニャ達だろう。
病室に入り、一番奥に設置してあるソファーに俺は座り、鞄から総譜を出して拡げた。
やる事が無いから、とりあえず総譜を拡げてみた。
・・・ものの、昨夜の寝不足から、俺はいつの間にかソファーに身を預けて・・・






目を開くと、知らない天井が広がっていた。

ここドコデスカネ?

だいぶ長い時間寝ていたのか、身体がバキバキいうが、頭はたっぷり寝たおかげですっきりとしていた。
そうだ!と、自分が事故にあったということを思い出して勢いよく起き上がった。

「い、痛!」

腕をさする。ああ、確かミラーに引っかかって・・・。
おなかの・・・赤ちゃんは?
あの激痛のお腹の痛みはなんだったの?
顔から血の気が引いていきそう。
そうアワアワしているところ、検温の時間ということで看護士が一人入ってきた。

「野田さん!目が覚めたのね?」
「はい、あのここは?」
「病院よ。昨日救急車で運び込まれたの。」
「・・・あの、えっとその・・・」
「腕の傷も後遺症なく治るし、それにお腹の赤ちゃんも無事よ。」

知りたかった内容を聞いて、ホッとした。
よかった。・・・そしてごめんね赤ちゃん・・・。

「あらあら、寝ちゃってる。あとで毛布持って来るわね。」
「えっ?」

看護士が部屋奥に設置されたソファーに目をやりながら、その言葉を言っていた。
誰かいるの?
そう思って振り返ると、そこに・・・

「し・・・ん・・・い・・・ち・・・くん・・・。」
「昨夜、一緒にこの病院に来ていたのよ。彼氏?」
「・・・はぁ、まぁ・・・。」

現実には、彼氏とかでも何でもない・・・。
どう返していいのかわからなかった。

今朝も来てたから、疲れたのかしらね?といいながら看護士は検温を終えて病室を出て行った。


どうして?が頭の中をめぐる。
別れたはずの人が、もう目の前にすることができない人がいる。
なんで、のだめのこと知らないのに、
今朝も来てたんですか?

膝の上には、彼らしく総譜が広がっていた。
器用に、ソファーに身を預け、足を組んだまま、顔は重力にしたがって下を向いていた。
今日の髪には寝癖がない。
ベットからするりと抜け出すと、のだめは無意識のまま真一の近くへ近寄っていた。
ソファー近くにしゃがみこみ、真一の顔を覗き込んだ。

「・・・寝ながら、そんなに眉間に皺寄せて・・・やっぱり痕になっちゃいますよ・・・。」

ねぇ、真一くん。
心配して来てくれたんですか?
そもそも、演奏会には?
ここに彼が居るだけで少しだけ期待してしまう。
もしかして・・・記憶、戻りました?
けど、きっとそんなことはないと心が荒む。

部屋をぐるりと見渡すと、ベットのサイドテーブルにのだめの鞄が乗っかっていた。
鞄をあさると、目的の物を掴む。
そして、のだめはそろそろと病室を出て行った。





目を覚ました。
確か、ここのだめの病室で。
昨日寝てなかったから、睡魔に襲われたか・・・。
そのままソファーの上で少しだけ伸びをする。
そして、のだめのベットを見た。

「・・・のだめ?」

ベットに居なかった。
先ほどまでそこに寝てたはずの人が居ない・・・。
俺は立ち上がった。
目を覚ましたのか、あいつ・・・どこに行ったんだ?
俺は急いで病室を出た。

そして、あいつが行きそうなところを探す。
院内ということで、走ることはできないが、できるかぎりの早歩き。
ちょうど近くを通っていく看護士をつかまえた。

「あの、野田恵、目を覚ましたみたいなんですが・・・。」
「ああ、野田さんね。さっき目を覚ましたみたいよ。」
「ええ、それで彼女、病室に居ないんですが。」
「・・・ああ、そうだ!さっきナースステーションに居るとき、携帯握り締めてエレベーターで上の階向かって行ったから、屋上あたりで電話してるんじゃない?院内は携帯禁止だから。」
「ありがとうございます。ちょっと行ってみます。」
「あっ、コレ!使って。」

看護士から、毛布が投げられた。
なんで?という顔をしていると、

「さっきあなたが寝ていたのを見たから持ってきたものよ。そろそろ夕方になって冷えてくるから、ちゃんと野田さん病室に連れ帰ってね。」
「すみません・・・。」

俺はぺこりと頭を下げ、そのまま屋上へ向けて歩き出した。






屋上で、まずはターニャに連絡。そしてミルヒーにも。
ターニャは電話先で、泣いてるのがわかる声が聞こえて、すごく心配かけてしまった事に心が痛む。
しゃべれなくなったターニャのかわりに出た黒木くんにも、あまり心配かけないでよ。と言われた。
いつもなら電話しても一発で掛かることがないミルヒーも、すぐに電話に出てくれた。
無事だということに本当に安心してくれたみたいだった。
そして、真一くんと話したか?と聞かれた。
まだですよ。というと、

「ちゃんと、もう一度話しをしなさい。それからでも遅くないから・・・。」
「・・・はい、・・・わかりました。」

やっぱりミルヒーにも、きっとターニャにもバレてたんだ。
まだ心が揺れている事に。
このままこの場所を去ったとしても、後悔するような気がした。
携帯を見つめたまま一つため息をつく。
そして、見上げた空には、満月と星が煌いた。

「キレイ・・・こんなにも星って見えるモンなんですね・・・。」

屋上には淡い光を放つ外灯しかないから、余計かもしれない。
星が煌くのが見て取れた。

そのときだった、ドアの閉まる音がして、誰かが近づいてくる足音。
びっくりして振り返ったら・・・







屋上の扉の前で、深呼吸をした。
これから、あいつに会うのだ。
扉を開ける前から、たぶんのだめはここに居るという何だか分からないが確信があった。
記憶を取り戻してから初めて・・・。
聞きたいこと、聞かせたいことがたくさんあった。
でもここに来て緊張しているのか考えがまとまらない・・・。
扉のドアノブに手を掛けたまま動けなかった。
このまま拒否されたらどうする?
本当に、もう他の人を好きになってたりしたら・・・?

・・・そうなったら、奪い返して、振り向かせるまでだ!

ドアをゆっくりと開けた。



病院の屋上ということで、そこそこ広い空間が広がる。
陽が落ちて、辺りは暗くなっている。
ぽつぽつと2・3塔、外灯が灯る。
その屋上の一番奥の手すり近くに誰かが居るのがわかった。

・・・恵・・・。

ちょうど携帯を閉じて、空を仰ぎ見ている格好になる。
遠い月と星を眺めるあいつの表情。
儚すぎて消えてしまいそうだった。
・・・堪らず、俺は走り出していた。





ドンッという衝撃と共に、近寄ってきた存在に抱きしめられた。
それは、

「真一・・・くん・・・」
「恵・・・」

頭の中は『どうして』という言葉がひしめく。
あなたは私を忘れてるんでしょう?
あなたは私を必要としていないんでしょう?
じゃぁ、なんで、今ここで抱きしめられているの?
そう頭の中に考えが浮かんでも何も言葉としては出なかった。

「・・・身体冷えてる・・・。」
「えっ?」
「ホラッ、冷やすなよ。」

持っていた毛布に包まれ、再び真一くんに抱きしめられた。
さっきよりもきつく・・・。

「・・・ど、・・して・・・。」

やっと出た言葉。それと共に涙も零れ落ちる。
夢なら冷めないでという思い。
夢で無いならなんでこんな惨い仕打ちをという思い。
希望と絶望が頭の中でごちゃごちゃになる。
何だか分からないうちに涙が出ていた。

「・・・戻ったから・・・」

その一言で充分だった・・・。
ますます自分の瞳からは涙が零れ落ちた。
嗚咽も出てしまって、言葉を吐き出したかった。
「良かった」って、言いたかった。
けど、うまく言葉にできない・・・。

そんなのだめのことを真一くんはさらにギュッと抱きしめて、

「・・・ごめん・・な・・・。」

と、真一くんの珍しい鳴き声に近い声が聞こえた。















やっと、記憶戻って、二人が出会うことが出来ました!

ん~、ここまで長かった!!(汗)

とにかく、切なさを大切に書いてきましたが、

どうでしょうか?

えっと、この後もとりあえず続きますが、

第1章終了ってな感じですかね?

コメントもらえるとうれしいです。

ではでは、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!

拍手[34回]

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こんにちは!
すっかり大ファン読者になってどきどきさせてもらってます。
せつない気持ちがものすごく強くなってしまい
思わずコメントさせていただきます!
続きがとっても楽しみです~。
aki 2009/09/10(Thu)08:49:32 編集
Re:こんにちは!
コメントありがとうございますvv
楽しんでいただけているみたいで、嬉しいです。
引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!!
のんのん  【2009/09/11 00:38】
はじめましてっ
初めてコメントさせていただきます、はると申します。
今までずっと、毎日通いつめてました!!
千秋くん、のだめちゃん、本当~によかった~、と私も嬉しいばかりですっ
子育てやらミルヒのサプライズやら、もう楽しみで仕方ないです!!!
続きも楽しみにしていますっ
はる 2009/09/10(Thu)13:30:14 編集
Re:はじめましてっ
コメントありがとうございます。
毎日通いつめですか?!ありがとうございます。
亀の更新で毎回すみません。
これからも続きますので引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!!
のんのん  【2009/09/11 00:39】
切なっ
こんばんは。
毎回、楽しみにお話の更新待ってます☆
のだめって、頑張れば頑張るほど切ないですよね。好きなんですけどね、のだめが苦悩するの・・・それに気付く真一の構図^m^
続きのお話、楽しみデース。
もとぶー 2009/09/10(Thu)22:00:55 編集
Re:切なっ
コメントありがとうございます。
確かに本誌ののだめちゃんも頑張れば頑張るほど高~い壁がさらに現れるみたいな感じですよね。
真一くんは、それをひょいと超えて行っちゃって先で待ってるみたいな構図ですかね?
お話しの方、楽しんでいただけているみたいでうれしいです。
引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!!
のんのん  【2009/09/11 00:42】
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