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いや~寅年突入ですねぇ~。
このブログも、2009年7月から始め、
早半年経過いたしました。
ここまでつづけて書いているのも、読んでいただける皆様がいるからでございます。
そんなことで、そんな皆様に、ちょっとしたSSを!
恋人同士の真一くん・のだめさんの元日の過ごし方です☆
それでは、続きからドウゾvv
本年もよろしくお願い致しますm( _ _ )m
【願うこと・・・】
「新年明けましておめでとゴザイマス!」
「おめでとう・・・」
のだめを連れての久しぶりの日本へ帰国。
唐突に、母さんから帰って来い命令に伴い、日本へ来ることが決まり、
何だかんだとしているうちに、日本へ帰ってきたのは大晦日の昨日だった。
帰ってきてからというものの、のだめは母さんや由比子に連れ回されて全く家に居なかった。
それに引き換え、俺の立場って・・・。
ほっとかれるのは良いのだが、ここまでだと・・・。
去年は、フランスで年越しをした。
手に入り辛い、日本食材を見つけたりしてお節料理を作った。
俺的には、のだめと二人でと思っていた。
しかし、それはのだめ相手に望んではいけないことだと学習した。
案の定、部屋に押しかけたロシア娘・フランス人オタク・中国人・・・。
『皆で一緒のが楽しいですよ。』というのだめの一言により、振り回された年越しをした。
だからこそ、今年こそは!と、クリスマスを終えた頃に、のだめを説得した。
そして、のだめの部屋じゃなくて、俺の部屋でと考えていたのに。
その説得をした翌日、母さんからの強制帰国命令によりそれも無くなった。
それをのだめに話したら、『楽しそうだからいいんじゃないですか?』という言葉しか帰ってこない。
ほんとにコイツって分からない。
俺ら付き合ってんだよな?と毎回確認したくなる。
っていうか、そう思うたび、自分がどんだけのだめに嵌まっているのかがわかり、打ちひしがれる自分がいる。
結局、日本に帰ってきた早々、拉致同然に母さんと由比子に連れ去られたのだめ。
俺はというと、仕事の後片付けや、俊彦とヴァイオリン演奏をサロンでしたりとゆったりとすごした。
夕飯の頃になると、母さんから外で済ますと連絡があった。
俺と俊彦は千代さんが用意してくれた食事を食べた。
そして、母さんたちが帰ってきたのは、11時をまわった頃だった。
急ぐように風呂に入り、そのまま母さんの部屋に入っていく3人。
なんだっていうんだ・・・。
俺は呆れながら、部屋に入っていく3人を見送り、自分の部屋へ戻った。
そして、時計が元日を知らせて1分経過した頃だった。
「今年もヨロシクデス!真一くん。」
「ああ、こちらこそ。・・・お前その格好・・・。」
「今日、小物を買いに行って来たんですよ。・・・似合います?」
照れたように笑うのだめは、振袖を身に着けていた。
淡い桃色地に花が咲く。帯はふくろ雀に結わえられている。
「似合うでしょ?」
「征子ママと私の見立てだもん。のだめちゃんカワイイ!」
そう言ってのだめの後ろから姿をみせた母さんと由比子。
彼女たちも着物を身に着けていた。
「まぁ・・・、いいんじゃない?」
「もうっ!はっきり言ってあげなよ、真兄ちゃま!」
早速、俺のあいまいの答えにケチつけやがるし・・・。
「こないだね、のだめちゃんと話したとき、成人式に着物着てないって言うのよ。」
「・・・お金なかったですし。」
「で、洋子さんに話したら、着物は作ってあるけど小物がないっていうの。」
「だから、今日買いに行ってきたってこと?」
そうよ。という母さん。
っていうか、のだめの母親といつの間にか仲良くなってるし・・・。
「さっ、じゃぁいってらっしゃい!」
「はぁ?どこへ?」
「だから、真兄ちゃま!のだめちゃん着物着てるのよ?」
「だから?」
「もうっ、今日は元日!ココまで言えば分かるでしょ!」
つまりは、初詣に行って来いって事?
そう答えると、よくできましたと言われ、のだめの上着とカバンを渡される。
そして俺の上着と財布・携帯を持たされると、あれよあれよのうちに家を追い出された。
「はぁ、ったく。・・・いつも振り回されているな。」
「うぎっ、はう・・・、歩き辛いデス。」
ちょこちょこと歩くのだめへ振り向く。
草履なんて、履きなれない物を履いているので、歩くのに難儀していた。
白い肌によく似合う、淡い桃色。
さすが母親だ。自分の娘によく似合う色をわかっている。
俺はのだめの元へ戻った。
「折角綺麗にしたのに、転んだら無様だな。」
「はう~、ですよねぇ~。・・・って、のだめ綺麗ですか?」
「・・・そうなんじゃない?」
「むぅ、カズオ?」
「うるさいっ・・・、ほらっ行くぞ。」
俺は、のだめの手を取ると、二人で初詣へ出かけた。
****
三善の家の近くの神社へ来てみた。
あまり有名ではないにしろ、やはり初詣するために人が集まってきている。
ちょっとした人ごみの中、俺とのだめは参拝するために並んだ。
「うぎ、だいぶ人が居ますね?」
「そうだな。はぐれるなよ。」
「大丈夫デスよ。ほらっ、真一くんがちゃんと手つないでくれてますし。」
そう言ってのだめは俺の手を握る手を少しだけ強める。
はにかむように笑うのだめ。
いつもとは違う格好をしているからだろうか、いつもより御しとやかに見えるのだめに俺がドギマギしてしまう。
目のやり場に困って辺りに目をそらした時だ。
なんか、見られてるような気がする・・・。
俺も少なからず、メディアに顔を出すようになってきたからなと思ったが、何か違う。
俺ではない所に視線が集まる。
そしてすぐ後に、その視線の先がわかった・・・。
「ん?どうしました?真一くん。」
「いや、ほらっ手袋着けとけ。」
「アリガトです。・・・でも一つだけ?」
「右手だけにはめればいいだろ。」
「あっ、そですね。真一くんも寒いですもんね。」
右手に手袋を嵌めるのだめに倣って自分も左手に手袋をつける。
のだめは、その右手で何も着けていない左手を抱えるようにして、はぁーと息を吹きかけた。
「寒いな。」
「そですね。」
その一言だけのやり取りをした後、俺はのだめの左手を手に取る。
そして、自分の上着のポケットへ突っ込む。
「・・・あの、真一くん。」
「これなら、寒くないだろ。」
「はい・・・、はぅん・・・。」
「変な声出すなよ。」
顔を紅潮させたのだめ。
俺の顔も火照るのが分かった。
それとともに、集まっていた視線が落胆に変わっていくのも分かる。
やっぱり・・・。
参道を並んで、歩く。
その道すがら見える屋台を見て、あれも食べたい!やりたいというのだめに、
どんな格好していても中身はのだめだと思った。
しばらくすると順番が来た。
「やっと順番ですね。」
「ああ、ほらっ5円玉。」
「アリガトです。」
渡した賽銭を賽銭箱に投げ入れるのだめ。
俺も投げ入れ、鈴を鳴らした。
拍手を打ち、頭の中で願い事を願う。
ふぅっと目を開け、隣ののだめを見る。
のだめはまだ、目を閉じ願い事をしているらしい。
綺麗に化粧も施し、着物を身につけたのだめ。
さっき集まっていた視線の意味が分かる。
だからこその行動だったが、自分のやったことに照れる。
「真一くん何お願いしたんですか?」
そういいながら、笑うのだめ。
「誰が教えるか。」
「むぅ、のだめは・・・。」
「言うと叶わないっていうぞ。」
「ぎゃぼっ、ならイイマセン。」
並んでたときと同じように、右手に嵌めた手袋で口を隠すのだめ。
俺の右手とのだめの左手は俺の上着の中に居る。
「改めて、今年もよろしくお願いしますね。」
「ああ、・・・今年はもうちょっと家事できるようになってくれ。」
「え~、真一くんの仕事なくなっちゃうじゃないですか。」
「お前!いつまで俺にやらせる気だ!」
のだめなりにがんばりま~す!と言いながら、微笑む。
俺は、その顔を見つめる。
「あれっ、ちょっと何処行くんですか?」
「ちょっとな。」
そう言って、俺に付いて来るのだめ。
俺は神社の祠脇に広がる林の中に入っていく。
それをのだめは一所懸命追い掛けてくる。
っていうか、俺が手を握っているから連れ込まれてるって感じか・・・
「真一くん?」
「のだめ・・・。」
「どしたんです?ほらっ、戻りましょ?のだめ・・」
あれ食べたい!っていうのだめの顎に手をかける。
上を向かせて、自分の唇をのだめの唇に重ねた。
顔を離してのだめの顔を覗くと、綺麗に微笑むのだめが居た。
その顔をみて、自分の顔もほころぶ。
「また、ピアノがんばんないとですね?」
「ああ、俺は待たないから。早く追いついて来い。」
「わかりました。」
そう言うのだめに、俺はもう一度キスを落とした。
また来年ものだめと居れますように・・・
俺の願い事はこれだけ。
恋人な真一くんとのだめさんの日本での初詣ssです。
いかがだったでしょうか?
振り回されるのに嫌になってるけど、
それがなければ無いで、寂しくなっちゃう真一くん。
結局は、皆に振り回される年越しですが、綺麗なのだめちゃん見れて満足なのでわ?
ってな感じです。
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
ではでは、最後にもう一度。
本年もよろしくお願い致します!コメント渇望中ですのでお年玉代わりに下さると嬉しいですvv