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のだめメイドちゃんの過去をとうとうと語ってもらいますよ~。
この作品について、今更ですが、
原作とは全くかけ離れた、パラレル小説ですので、
苦手な方は回避してください。
・・・パラレル小説・・・。
そう、つまりは、何でもあり小説ってことですので、
そこら辺をご理解いただき、お読みクダサイ!!
37.
のだめは、付き合ったことがある人は居ません。
だって、今日まで生きてくるのに必死だった。
幼くして両親を亡くし、
唯一の弟とは、離縁し、
一人、施設で育った。
本当に小さい頃は、全くわからなかったのだ。
ただ、急に事故で逝ってしまった両親が、いつかは迎えに来るのだと思っていた。
祖父の家に引き取られて数日後、こんな質問を祖母のシズヨにした事がある。
『ねぇ、シズヨ?辰夫とヨーコは、何時戻ってくると?』
『父さんと母さん帰ってくるの?』
『・・・恵、佳孝・・・。』
『モチロン!随分長いことお買い物に時間かかとるけん、きっとヨーコが駄々こねとるとよ。』
きっと、ヨーコが新しい洋服欲しいて、辰夫を説得しとるとよと笑った。
そう言っている姉弟をシズヨは寂しそうに眺めた。
それも、1年・・・2年と続き、
必然と、もう両親は帰ってこないのだと気づいた。
その頃だ。
祖父の家に引き取られたものの、細々と海苔農家を家業とした祖父母の家計では、
育ち盛りの子供を二人抱えるのは、非常に厳しかった。
『・・・シズヨ?まだ寝んと?』
『あ、恵。起きてしまったんか?これにキリ付けてから寝るとよ。早よ、恵も寝んしゃい。』
『キサブロは?まだ帰ってこんの?』
『ああ、ちょっと手間取ってるかもしれんね?大丈夫じきに帰ってくるとよ。』
そう言って笑う祖母の顔に、疲労感が漂うのを子供ながらにわかった。
だから、市の職員さんが来て、子供たちを預けてはどうかと提案された時、
『いやっ!こん子達は、私たちが育てます。』
『いやしかし、野田さん。生活厳しいでしょう?今年は海苔も不作でしたし、これからどんだけお金かかると思っちょりますか?』
『それは・・・。』
『キサブロ、シズヨ・・・。』
『恵?あち行っとれとゆうたやろ?』
居間で話し込む大人の中へ、私はただ歩いていく。
その隣には、よっくんが居た。
私はただ、よっくんの手を強く握りしめ、
『恵は、施設行きます。』
『姉ちゃんが行くなら、俺も行く!』
『よっくんは、ここに居るとよ!遊びに行くのと違うんの。』
『嫌だ!姉ちゃんが行くなら、俺も行くんだ!』
『ちょっと、二人とも!何言ってるんよ!』
私の発言にびっくりした大人3人の中で一番に反応したのは、シズヨだった。
『恵、知っとるんよ。お金ないんやろ?』
『・・・恵。子供がそんなこつ心配しなくてもよか!ここに居れば』
『でも、もう、・・・キサブロとシズヨが苦しんでるところ見たく無かよ・・・。』
『・・・恵・・・。』
結局は、本当に生活の厳しかった祖父母は、私たち姉弟を手放すしか方法が無く、施設に入る事となった。
不便を感じることや、嫌だと思ったことは少なかった。
年に数回ではあるが、祖父母の家に帰り一緒に過ごした。
ただ、行く度に大きくなる私たちとは違い、年々小さくなる祖父母の背中が何故か寂しかった。
それから、2年後。
よっくんだけ里親が見つかった。
泣いて嫌がるよっくんを恵が必死に説得し、里親に引き取られていった。
できれば、姉弟揃ってということであったが、許可が出なかった。
のだめは、最後まで施設で生活をし、施設を卒業しなければならない16歳を迎えた。
里親へ引き取られたよっくんは、新しい家族とも仲良くやっているらしく、時たま手紙を送ってくれていた。
祖父母には、家に帰って来いと言われたものの生活が改善した訳ではなく、
老体にムチ打つ祖父母に迷惑をかけられず、東京へ行き、通信高校辺りにでも通いながら、自分だけで生活しようと考えていた。
その時、出会ったのが、三善のお家。
旦那さま、征子さま、由比子さま、俊彦さま。
皆が優しくて、本当の家族のようにのだめに接してくれた。
のだめは、本当に不器用だから迷惑しか掛けたことないのに、
『ずっとココに居なさい。』と言ってくれたことがあった。
その言葉を聞いて、自分が大地に足を着け歩けたように感じた。
今まで、懸命に我慢してきた。
寂しいのも、
悲しいのも、
切ないのも、
苦しいのも・・・。
その言葉をもらったその日、初めて家族以外の人の前で涙を流した。
そんなのだめを、征子さまはただ優しく抱きしめてくれた。
そして・・・
***
「きゃ~~~。」
「・・・あんまり遠く行くなよ?俺ここから先は無理だぞ。」
「は~いっ。」
車の外へ出て、気持ちいい波風をあびる。
絶対海へは近付かないということであれば、大丈夫ということで、真一くんも外へ出てきた。
一度、波打ち際へ行き、落ちていた貝殻を拾いあげる。
「真一くん。落ちてました!」
少し高台になったところへ海を眺めながら座る真一くんの元へと戻り自分も、その隣に座った。
「だいじょぶですか?」
「ん、平気。けど、もうちょっとしたら、行くぞ。」
「これ、持って帰っても平気ですかね?」
「いいんじゃない?」
「へへ、懐かしいなぁ~。」
何が?と不思議そうな顔をする真一くん。
両親が生きていた頃、何度か家族揃って海へ出かけたことがある。
まだ小さいよっくんと私に、いっぱい貝を拾って集めてくれた父。
そんな三人を遠くで見守る母。
『ヨーコ!こげないっぱい取れたとよー!』
『すごかねぇ~!』
『恵は、貝拾いの名人たい!!』
そういって私へ笑いかける両親の笑顔が、目の前にあるように思い出した。
その瞬間・・・
「・・・のだめ?どうした?」
「んん・・・何でもないですよ。ただ・・・。」
「何?・・・ってお前何泣いて・・・。」
「幸せだなぁって・・・。」
にこりと微笑んだとき、すぅーっと涙の雫が頬をすべり落ちる。
「幸せでも人って泣けるんですね・・・。」
今まで三善のおうちに来るまでは、悲しいだとか負の涙しか流したことが無かった。
それが、三善の家でのだめの心は満たされるようになった。
こうやって両親との思い出を思い出して、笑顔を浮かべることまでできるようになった。
真一くんは、のだめの頬を拭い、涙を取り去ってくれる。
そして、ただ黙って肩を抱き寄せてくれた。
その肩へ頭を預ける。
そのときだった。
・・・・ぐぅぅぅ~~~~~・・・・・
「ぶっ!」
「ぎゃぼっ!おなかさん雰囲気読んでください!!」
「ははは、さすがお前らしいな。」
「うきゅ~~~~・・・。」
鳴り響いたおなかの音。
それとともに、大笑いを始める真一くん。
のだめは、ただただ恥ずかしい・・・。
「ほらっ、じゃ、飯食いに行こう。」
「・・・はいっ!ご飯ご飯~~~~!」
「ったく、現金なやつだな。」
「ほらっ、真一くん!早く早く!!」
一足先に、車へ向って歩くのだめ。
それをしょうがないヤツだと思いながらも、微笑みながらおいかける真一が居た。
なんちゃって方言です。
のだめちゃん出身地近く出身の方。
ごめんなさい。スルーしてください!
なまってる感じ!てな感じでお読みクダサイ!!
今回は、シリアス系?
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
では、次の更新はいつのことやら・・・。
きまぐれのんのんにお付き合いいただきましてありがとうございます。
では、またお会いできることを楽しみにしております!!
お読みいただきましてありがとうございました!!!!
このたびはコメント残していただきましてありがとうございます!!
pocoシリーズとは違い、のんのんの全くの趣味というか、嗜好のまま書いているご主人様シリーズ。
楽しんでいただけたみたいで何よりです。
んと、目下続きを製作中です!
更新は、本当に亀のように遅いですが、引き続きお付き合いの程、よろしくお願いします!!