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の/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、他の二次創作・二次小説の館です。 ご不快な方、ご理解頂けない方は、ご遠慮下さい。 かなりな、ムラッ気がありますので、更新はまちまちです・・・(爆)
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1週間(実際には4日間)のお仕事終わりました~。

今日は休日です。

でも、色々あるので、今のうちに更新!

記憶の~もだいぶ佳境に入ってきました。

何か、うまくまとめられるのか?と少々不安な部分もありますが、

引き続きお付き合い下さい。

ではでは続きからドウゾvv

17.道しるべ


Trrrrrr・・・・・・ガチャッ

「っのだめ!」
『アロー野田デスvただいま留守にしておりマス。ご用の方はメッセージを・・』
「・・・チッ、クソ!」

案の定TELしてもつかまらない。
携帯している意味がない。そもそもあいつ携帯しているのか?
結局、三善のアパルトマンへ来ていた。

ふーっと一息入れる。
ここまで走ってきたから少し息が上がっていた。
それもあるが、第一に俺はなんてあいつに言えば良いんだ?
『思い出したから』
『別れたくない』
『ゴメン・・・』
その言葉を吐いて、抱きしめればあいつは許してくれるだろうか?
いや、許してもらえるまで話すしかないんだ。

俺は、よしっと心に決め、ブザーを押した。

『センパーイ!充電ーーー!!』

そんなことを言いながら飛び出してきていたドア。
そのドアは、動かない。
そもそも居るのか?
少し嫌な予感がした。
急いでポケットから鍵の束を取り出して、部屋の鍵を開けた。
ギッと音を立ててドアが開かれた。
中に入り込んであっけに取られた・・・。
そこは、整理整頓され床にごみ一つ転がらず、そして・・・
のだめの荷物が何一つなくなっていた。





ヤスが部屋に来て、そのまま一緒に出掛けようということになって、

「お昼は?どうする?」
「外でもいいけど。」
「ん~、私が作るわ。買い物行って来るわね。」
「ああ、ちょっと練習しててもいい?」
「いいわよー。じゃぁ行って来るね。」

私は、何となくのだめの封筒も一緒にバックに入れた。
部屋の鍵はかけずに、廊下へ出た。
階段を下りて、ふとのだめの部屋を見た。実際には元千秋の部屋・・・。
そこのドアが開いてるのを発見して、急いでそこへ入った。

その部屋の中に見たのは、

「何もかも、遅いのよ!!バカ千秋!」
「・・・ターニャ。」

床にへたり込んで、途方にくれる千秋を見つけた。
顔を見ると、青くなっている・・・。やっと、

「記憶・・・戻ったのね?」
「ああ、今さっき・・・。」
「ずいぶん時間掛かったわね。」
「・・・のだめは?」

えっ?知らないの?

「ここにはもう戻ってこないわよ。」
「えっ!」
「聞いてないの?」
「何も・・・。」

何かおかしくない?
確かのだめは、「先輩には言ってある。」って言ってなかった?
ウィーンに行くこと。

「どうやって思い出したの?」
「黒木くんが持ってきたCD・・・。」
「のだめの?」
「ピアノの音で思い出した。」

やっぱり彼ららしい。音楽が彼らを繋いでいる。

「ここには、戻ってこないし。今どこに居るのか知らないのよ。」
「いつから?」
「私たちがあったのは4日前。千秋は?」
「・・・3日前。・・・はぁ~~~っ」
「何かあった?」
「俺、自分を殴りたい・・・。」

のだめの言うとおり、「別れ」を口にしたこと。
「他に好きな人ができた」とどう見ても嘘を吐いたこと。
千秋は話した。顔は苦渋に満ちている・・・。

「・・・あんたっなに考えてんのよ!」
「だから、しょうがなかったんだ!」
「・・・殴られたいの?よね・・・。」
「えっ?」
「歯・・・、噛み締めなさい!」

そういった後、私は千秋の顔を殴っていた。
グーパンチで・・・。
ドンッと倒れる千秋を見下ろしながら、

「これは、のだめの痛みよりよっぽど軽いわよ!」
「・・・そうだな・・・。」

殴った手が痛い。それだけじゃない色々な感情が渦巻いて、涙が流れた。
本当にのだめどこ行っちゃったのよ!







「のだめちゃーん。荷物引取りに来ましたよー。」
「ミルヒー!アリガトデス。ちょっと待ってくださいね。」

オクレール先生の家にやってきて、4日間。
今日はリサイタル当日。朝起きてからお昼までピアノの最終チェックをして、オクレールからOKサインを貰っていた。
今日のリサイタル終了後、そのままウィーンへ向けて飛び立つことになっていた。

「荷物は?」
「見て分かりません?その作業中です。」

たった4日間の滞在なのに、のだめの部屋はやっぱりのだめ化となっている。
何回か、オクレール夫人が手を付けようとしたけど、無理だと結局ほっといて置かれた。
それを考えると、真一くんってすごかったんですね。
そんな所も、相性ピッタリだったのにな・・・。

「今日のピアノはどうですか?」
「バッチリです。オクレール先生も完璧!と言ってくれました☆」

ミルヒーにも、オクレールにも、真一くんから離れることを話しておいた。
二人とも、何も言わず「わかりました」と言っていた。
今日、ミルヒーが来て直接何か聞かれるかと思ってたけど、何も聞かれなかった。
そこにちょっとホッとする自分がいる。
今、誰かに甘えたらそこから立ち上がれそうに無い・・・。

「さてっと、こんなモンですかね?」
「終わった~?」
「はい~。これだけです。よろしくお願いシマス。」

そう言って、鞄2個を渡す。
必要最低限だけで大丈夫だから、後は送って貰いましょう。

「じゃぁ、僕はこれをホテルに置きに一旦帰るねぇ~。」
「はい、では後ほど☆」

そう言って、ミルヒーは帰っていった。
ちょっと心配かけすぎたかな?何も聞かれないっていうのも気を使いますね。

自分から望んで「別れ」を選んだ。
のに、身体はまだ彼を求めている。心も・・・。
いつになったら、この感情は昇華されるんだろう。
昇華されることなんてあるのかな?
わかっていることは、「彼に、会うことはないこと。」だけだった。







俺は思い出していた。
あの日のことを・・・。


いつものようにジジィの公演へついて、演奏旅行を終えて2週間ぶりにパリへ帰国した。
そのままの足で、のだめの部屋へ向かう。
いつもなら、電話で話してから行くが、たまにはビックリさせてやろうと、
一日早まった帰国は話さず、ドアの前まで来た。

そーっと鍵穴に鍵を差し入れ、鍵を外す。
またドアもゆっくりと開けて、中に入り込んだ。
そこで聞いた話。

中を見ると、どうやらターニャと話し込んでいるらしい。
そのまま会話に耳を傾けた。

「・・・ところでさぁ、のだめ。」
「なんですターニャ?」
「もしよ、もし。千秋にのだめ以外の好きな人ができたらどうする?」

女ってこういう話好きだよな。
もしとかありえない話を真剣に話す。たまに喧嘩までするし・・・。
しかし、常日頃女の行動を見せないあいつはなんて答えるのか少し興味を持った。

「そんなことオコリマセンヨ!」
「だから~、も・し・よ!」

食卓を見ると、夕飯とともにワインが空けられているのが見える。
ボトルが半分以下になっているってことは、だいぶ酒が入っているようだ。
だから、ターニャがつっかかっているように見える。

「ん~~~・・・。」
「どうするの?」

最初は、ターニャに対して怒るような表情をしていたのだめ。
でも考え始めた途端、色々な表情をしていた。
悲しそうだったり、怒ったり、泣きそうな顔になったりとパラパラ顔が変わる。
そんなこと真剣に考えるなよと心の中で半分呆れていた。

「・・・たぶん。」
「たぶん?」
「・・・相手の女性にコレでもかっていうほどの・・・嫌がらせをします・・・。」
「・・・C'est glauque(暗ーい)・・・。何よそれ・・・。」
「だって取られるの悔しいじゃないですか!」
「それにしたって、そんな事したら益々嫌われるだけじゃない!」

自分を磨いてもう一度振り向かせるとか答えられないの?とターニャが言っている。
それにしても、本当にそんなことがあったらそうされそうで背中が寒くなった。
きっと真澄あたりも巻き込んで、嫌がらせ始めるんだろうな・・・。
苦笑まじりのターニャに、ブーと口を尖らせるのだめ。

「でも、もし・・・。」

そう言ってのだめがまた話始めた。

「ん?何?」
「もし、それでもその人とと先輩が本気なら・・・。」
「うんうん、本気なら?」

また、興味のわく内容だったらしくターニャはニコニコしながらのだめの話を促す。
俺も興味があってまだ、こっそり耳を傾ける。

「・・・笑って、諦めます・・・。」

そう言って微笑んだのだめ。

「でも、きっとのだめはずっと先輩のこと好きなんです。おばさんにんってもおばあちゃんになっても・・・。ずっと先輩のこと好きなまま、恋焦がれたまま死ねるなら本望ですね。」

へへっと悲しい微笑みを湛えたのだめの表情を食い入るように見つめていた。
もしも、本当に俺にのだめとは違う人を好きになるようなことがあったら、本当にあいつは悲しい笑顔を抱えながら生きていくような気がする。

のだめっていうのは、どんなに辛くても苦しくても、俺や周りが気づかないと、手を差し伸べないと自分の内を明かそうとしない。いや明かせない・・・変なところ不器用なんだよな。
自分がもし、逆の立場になったらどうするのか考えてみた。

あいつの隣に立つのは、俺じゃなくて。
ピアノの音を手に入れたそいつは、のだめに寄り添う。
その男に向かって、のだめは微笑んで抱きつく。

俺はのだめが言ったように「笑って、諦める」なんてことは出来ない、と思う。
あいつは、自分が辛くても話さないくせに、俺が辛いときにはいつもそばに居て、手を差し伸べてくれる。
いつも思っていたことだが、俺が支えてるんじゃない。
俺が支えられている。
その時思ったんだ。
俺が、あいつの支えになるにはどうすればいい?

あいつが当たり前のように帰ってこれる場所を作ればいいんだと考えた。
それは今も一緒だけど、もっと違う・・・もっと深く深く繋がって、支えあえるように・・・。




その時、真剣に考え始めていた。

「俺、あいつに約束したんだ。」
「何を?」

ターニャに殴られて床に座り込んだまま、ポツリポツリ話し始めた。

「一生俺について来いって。」
「プロポーズ?・・・のだめがうれしそうに話してたわよ。」

そう、幸せすぎて怖いと言いながら微笑んだあいつの笑顔が鮮明によみがえる。

「あいつが帰ってくる場所を作ってやりたくて、・・・いや、俺が帰ってくる場所でもあるんだけど、その場所を作りたくて・・・」

あの悲しい顔をさせたくないと思った。
あいつが俺の隣に居て、いつも笑っているのを当たり前にしてやりたいと思った。

「プロポーズまがいのことまでしたのに・・・結局俺が突き放したんだ。」

ターニャは何も言わず、俺を見つめている。
その視線に耐えかねて下を向いた。
ヤバイ、泣きそうだ。

「バカだよな俺・・・。」

そう自嘲気味に笑った後、自分の手の甲に涙が落ちた。

「本当バカね。」
「傷口に塩塗りこむようなこと言うなよ・・・。」
「バカにバカって言ってなにが悪いのよ。あっ、そうだこれ。」

腰を下ろしたターニャは、俺に封筒を差し出していた。

「今朝届いたの。」

受け取って差出人欄を見た。

「のだめ!」
「その中に、千秋と離れることにしたって書かれてた。それに千秋宛のも入ってたわ。」

俺は急いで手紙を取り出す。
ターニャ宛ての文を見て、あいつはどんな思いを抱えてこの手紙を書いたのだろうかと心が苦しくなった。
そして、俺宛の手紙。
「千秋真一様」とあいつの字で書かれた文字。
封筒を開けると、何も入っていないように見えた。
けど、ちょっとした重さがあるから何かが入っているのは分かった。
手のひらにそれを取り出そうと封筒を逆さまにした。
するっと出てきたのは・・・。

「これってカギ?」
「・・・この部屋の・・・。」

見覚えのあるカギ。この部屋の・・・。
それを見て思ったんだ。本当にあいつはここに戻ってこないつもりなんだと。
どこに行こうとしている?
でも、ここに来れば何か分かるとおもっていたが、ついにツテがなくなった。
ターニャの話ぶりならば、他のメンバーも同様に何も聞いてないんだろう。

「私なら、とりあえずその差出先に行ってみるけど。」

そうターニャが言うとおり、差出欄に住所らしいものが記載されていた。
ここに行けば、捕まえられるかもしれない!

「・・・俺、行って来る!サンキューターニャ!!」

そう言って、俺は部屋を飛び出していった。その後姿をターニャに呼び止めようとしていたことに気づかなかった。

「ちょっと、千秋!まっ・・・。行っちゃうし・・・。気づいてんのかしら?今日リサイタルだって・・・。」














はい、痛い目その2ターニャのパンチです☆

それに、だいぶ走り回ってもらっています。

さてさて、千秋はのだめを捕まえられるんでしょうか?

コメントもらえると嬉しいです。

ではでは引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします!

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