の/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、他の二次創作・二次小説の館です。
ご不快な方、ご理解頂けない方は、ご遠慮下さい。
かなりな、ムラッ気がありますので、更新はまちまちです・・・(爆)
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おはようございます。
少し寝ました。子どもに起こされて、
結局パソコンへ向かいますvv
さてさて、更新です。
のだめちゃんが決意します。
ではでは続きからドウゾvv
少し寝ました。子どもに起こされて、
結局パソコンへ向かいますvv
さてさて、更新です。
のだめちゃんが決意します。
ではでは続きからドウゾvv
13.決意
「順調ですね。ちょうど二ヶ月入ったあたりでしょうね。」
真一の部屋から直接、診察を受けようと、病院へ来ていた。
診察時に取った映像を見ながら先生は説明してくれた。
「ありがとうございマス・・・」
「そうだ、こないだの書類持って来ました?」
「は、ハイ・・・。」
そう言って、先生に書類を渡した。ちょっと拝見と先生はザッと書類に目を通していてた。
「ココの・・・父親欄は・・・?」
「あの・・・先生。・・・父親が居なくても、子どもは産めますか?」
「えっ?」
「育てるのはドデスカ?」
「一人で産んで育てるんですか?つまりシングルマザーになると?」
「・・・はい。」
「相手・・・。父親わかっているんですよね?」
「わかってます。・・・ケド・・・結婚できないんです。」
そう、自嘲気味に笑った。先生はその顔を見て少し悲しそうにしてくれた。
「まぁ、人それぞれですし、何も聞きませんが・・・。フランスだと子育てにも寛容ですし、シングルの方も多いから大丈夫ですよ。」
「ハゥ・・・。よかったです。」
「さっきも言いましたが、何も聞きません。けど・・・話したくなったらいつでもいいから話して下さいね?」
ストレスは赤ちゃんに悪いからと先生はニコニコ笑って話してくれた。
「じゃぁ、先生・・・。少し泣いてもイイデスカ?」
「・・・いいですよ。今看護士に部屋を用意させますね。」
具合悪いフリをして下さいねと舌をチョロっと出しながら、診察室を出て行く先生。
しばらくして、入ってきた看護士さんに案内されながら、一つの病室へ行く。
どうやら、個室らしい。
看護士は、ドア近くで、具合良くなったら、受付に寄って下さい。
と出て行った。
部屋の真ん中にあるベットへモソモソと潜り込んだ。
少しヒヤッとするシーツ。
それを肌で感じて、すぐに箍が外れた。
しばらく経つと一つの病室から、泣き声が響いた。
けれど、その声は廊下の喧騒に掻き消され、人々の耳に入ることはなかった。
真一・自宅――――
じゃぁ、私たちお暇するわ。と言って、Ruiもニナも帰っていった。
残るは、黒木くんだけ。
俺は、黒木くんに緑茶を出した。
彼は、ありがとうといって受け取った。
「やっぱり思い出せない?」
「全く・・・。」
「そうだ、さっきニナが言ってた記事。僕も見たよ。」
ネット記事。俺とRuiが結婚するかもなんて書かれていた記事。
「ターニャが怒り狂って、出版社に乗り込む勢いで、大変だったよ。」
そのことを思い出したのか、少し顔色が青くなる黒木くん。
そうだ、彼とターニャ近頃付き合い始めたんだっけ。
・・・誰に聞いたんだ?
「怒り狂うって・・・。まぁ、俺も怒られたしな・・・。」
そう、その程度の存在だったんだろと心にもない事を言って、怒鳴られたことを思い出した。
「で、はい。これ・・・。」
「あ、ああ・・・。ありがとう」
そう言って、のだめの音源CDを受け取った。
「それダビングコピーしたやつだから、あげるね。」
「ああ。」
「こないだのリサイタル前に、実家へ送るから録音するって話しになって。」
黒木くんに頼んだらしい。もちろんターニャも一緒に。
千秋君、公演で居なかったから・・・と。
「ありがとう。後で聞くよ。」
受け取ったCDを見た。
あのエロジジィでも、世界の巨匠のシュトレーゼマンとも共演をしたことのあるのだめ・・・。
あいつのピアノ・・・。
「ねぇ、千秋君。」
お茶の入ったカップをテーブルに置き、真っ直ぐ俺を見る黒木くん。
見るって言うよりかちょっとにらまれてる?
「どっちを信用するの?」
「どっちって?」
「あのネットの記事と、僕たちの事だよ。」
「えっ?」
「何にも知らない人が書いた記事と、いつも回りに居た人たちの言葉どっちを信じるの?」
ちょっと考えればおかしいって分かったんだ。
でも、あの記事を見たときに少し信用してしまった。
それも、さっきの平手とパンチを喰らったおかげで、間違いだと気づいた。
はぁ~~~と盛大なため息をはき出す。
「千秋君?」
「・・・俺、何を忘れたんだ?」
だれか教えて欲しかった。けれどそれじゃ意味がないことはわかっていても。
「それは、・・・僕にも分からないよ。僕は千秋君じゃないし。」
「それは・・・そうだよなぁ・・・」
天井を見上げる。
この部屋。俺は知っている。
そして目の前の彼も、その周りの人たちも知っている。
唯一抜けているのは、のだめの存在。
のだめって俺にとってなんだったんだ?
「でも、ずっと見てきた僕から言わせれば、君は思い出さないとずっと後悔することになると思うよ。」
「後悔?」
「うん、君が忘れてしまったものはきっとかけがえのない存在だと思う。」
黒木くんは、俺を見た。
さっきの睨むというより、少し悲しそうに俺を見つめていた。
じゃぁ、僕学校でレッスンあるから。といって黒木くんは帰っていった。
パリ市内某所――――
「ミルヒー」
「のだめちゃん。久しぶりデース。」
のだめは、シュトレーゼマンの元へ訪れていた。
パリ公演を控えて、パリ市内のホテルへ滞在しているミルヒーへ連絡していた。
「こないだのっていってもダイブ前のですが、公演良かったデス。感動しました。」
「ありがとう。ささっ座ってクダサーイ。」
真一と一緒に、見に行った公演を思い出した。
隣に座って、一緒に感動を共有できた。
今となっては懐かしい思い出でしかない。
室内のソファーに身を委ねる。
何か飲みますか?と言われたけど、いりませんと答えた。
「で、電話で言っていた話しっていうのは?」
「・・・あの。一気に話すので、最後まで黙って聞いてもらえますカ?」
のだめがいつになく真剣な眼差しで見たら、ミルヒーもただ事じゃないって気づいたみたいで、イイですよ。とうなづいてくれた。
そして、のだめは一気に感情が爆発したように今までのことを話した。
真一が記憶を失ったこと。
のだめのことだけを覚えていないこと。
そして、それは今も続いていること。
思い出したくないと言われたこと。
Ruiとの記事のこと。
そして、直接聞いた話。・・・Ruiだよ・・・って。
ミルヒーは、真一のことも記事のことも何となし知っているような表情をしていた。
けれど、ちゃんとのだめの話を聞いてくれていた。
たどたどしく、要領のつかめないような話を。
そして、最後。のだめはこれを言わないと・・・。
「あと、のだめのお腹に、子どもが居ます。」
「子どもが居るって・・・、妊娠!!!?」
最後まで黙ってっていうのは無理だったみたい。
少しニッと口角を上げると、ミルヒーはゴメンなさいという顔をした。
「だから。こないだ話してくれたマルレのコンチェルトのお話。断ります。」
ちょうど8ヶ月入るあたりだから、きっと満足する演奏はできない。
それはプロとして自分のプライドとして許せない気がする。
それに、相手はあの真一・・・。
「もう、私が話ししても大丈夫デスか?」
ミルヒーは、のだめを見て、伺うように声を掛けてきた。
大丈夫。これで全部です。と話すと、じゃぁと話を始めた。
「断るということは、産む決断をしている。そうデスね?」
「ハイ。」
「これ、千秋は知っているの?」
「・・・イイエ。」
「言ってないの?」
「ハイ。」
「父親、千秋だよね?」
「・・・この子は、『のだめ』の子どもです。」
そう言って、お腹を摩った。
初めてこの子がここに居ると知ったとき、
びっくりするだけで、どうしようと慌てた。
けれど、ちゃんと病院で居ることを確認した後、
とてつもなく、愛しい存在となった。
あの時、真一くんに電話したとき、当たり前のように喜んでくれると思っていた。
けれど、現実はそうではなかった。
少し寂しいけど、のだめはこの子のために強くなると決めた。
だから、ミルヒーにも話を出来たのかもしれない。
だって、彼はあの真一くんの師匠ですよ。
いつこの子の話しが彼の耳に入るかわからない。
それでも、話をしなければ、前に進めないと考えたから・・・。
なんて、表情をするんですかねこの娘は・・・。
フランツは、のだめのお腹を摩る姿を見て、目を細めた。
慈しみと自愛に満ちたマリアのような表情。
微笑んで自分の子どもに話しかけるかのように目を伏せる表情。
桃が丘へミーナに呼ばれて日本へ行った時、拾ったもの。
それは、千秋真一という指揮者のヒナ。
それと、まだ硬い殻に覆われた野田恵というピアニストの卵。
ヒナは、いつの間にか自分の羽を広げ、少しだけ空を飛べるようになっている。
そして、この目の前に居るかつては卵だった彼女は、ヒナに寄り添うように、成長し、いつの間にか、空を羽ばたこうとしている。
親心とまではいかないが、孫娘のように思っていたのだめ。
いつの間にか、こんな表情もできる女性になっていたんだと気づいた。
やはり、こういう感情面の成長は、女性の方が早いのかもしれないと思った。
つい最近みた、この子の彼氏はそんな表情見せたことがない。
その彼女が、決意を持って、私に話していること。
そして、私がこの子に出来ること・・・。
「決意は固まっているんですね?産むということで」
「ハイ!」
「わかりました。」
のだめは、へっとちょっと間の抜けた返事をしている。
そして、怒らないのか?と聞いてきた。
「別に怒りませんよ。」
「・・・。」
「ただ、『どうしよう』とか、ふらついた考えなら、この場から叩き出してますけどね。」
「ぎゃぼ!叩き・・・!!」
そんなことはないのだと、さっきの表情でわかっている。
だから、私が彼女のために出来ること。
「では、のだめちゃん。私の言う通りに行動できますか?」
「はぎゃ?何をさせる気ですか?」
「大丈夫。のだめちゃん為です。悪いようにはしまセンよ。」
そう言って、ウィンクをする。
立ち上がり、ソファーに座るのだめの頭をポンポンと撫で、
「ちょっと、電話してきます。あなたはこの部屋に居てクダサーイ。」
そう言って部屋を後にした。
千秋さん悶々です。
そして、のだめちゃん決意しちゃいました。
こういうとき、女性の方が強いんですよね。
私も、息子がお腹に居ると気づいたとき、
アワアワとするだんなを一喝したことを思い出しました。
しかし、黒タニャの話を挟めるかな?
挟めるなら挟んでみたいけど、書けるかな?
番外編って言う形で、あとで書きますかね?
あの二人のやり取り面白くってすきです。
「順調ですね。ちょうど二ヶ月入ったあたりでしょうね。」
真一の部屋から直接、診察を受けようと、病院へ来ていた。
診察時に取った映像を見ながら先生は説明してくれた。
「ありがとうございマス・・・」
「そうだ、こないだの書類持って来ました?」
「は、ハイ・・・。」
そう言って、先生に書類を渡した。ちょっと拝見と先生はザッと書類に目を通していてた。
「ココの・・・父親欄は・・・?」
「あの・・・先生。・・・父親が居なくても、子どもは産めますか?」
「えっ?」
「育てるのはドデスカ?」
「一人で産んで育てるんですか?つまりシングルマザーになると?」
「・・・はい。」
「相手・・・。父親わかっているんですよね?」
「わかってます。・・・ケド・・・結婚できないんです。」
そう、自嘲気味に笑った。先生はその顔を見て少し悲しそうにしてくれた。
「まぁ、人それぞれですし、何も聞きませんが・・・。フランスだと子育てにも寛容ですし、シングルの方も多いから大丈夫ですよ。」
「ハゥ・・・。よかったです。」
「さっきも言いましたが、何も聞きません。けど・・・話したくなったらいつでもいいから話して下さいね?」
ストレスは赤ちゃんに悪いからと先生はニコニコ笑って話してくれた。
「じゃぁ、先生・・・。少し泣いてもイイデスカ?」
「・・・いいですよ。今看護士に部屋を用意させますね。」
具合悪いフリをして下さいねと舌をチョロっと出しながら、診察室を出て行く先生。
しばらくして、入ってきた看護士さんに案内されながら、一つの病室へ行く。
どうやら、個室らしい。
看護士は、ドア近くで、具合良くなったら、受付に寄って下さい。
と出て行った。
部屋の真ん中にあるベットへモソモソと潜り込んだ。
少しヒヤッとするシーツ。
それを肌で感じて、すぐに箍が外れた。
しばらく経つと一つの病室から、泣き声が響いた。
けれど、その声は廊下の喧騒に掻き消され、人々の耳に入ることはなかった。
真一・自宅――――
じゃぁ、私たちお暇するわ。と言って、Ruiもニナも帰っていった。
残るは、黒木くんだけ。
俺は、黒木くんに緑茶を出した。
彼は、ありがとうといって受け取った。
「やっぱり思い出せない?」
「全く・・・。」
「そうだ、さっきニナが言ってた記事。僕も見たよ。」
ネット記事。俺とRuiが結婚するかもなんて書かれていた記事。
「ターニャが怒り狂って、出版社に乗り込む勢いで、大変だったよ。」
そのことを思い出したのか、少し顔色が青くなる黒木くん。
そうだ、彼とターニャ近頃付き合い始めたんだっけ。
・・・誰に聞いたんだ?
「怒り狂うって・・・。まぁ、俺も怒られたしな・・・。」
そう、その程度の存在だったんだろと心にもない事を言って、怒鳴られたことを思い出した。
「で、はい。これ・・・。」
「あ、ああ・・・。ありがとう」
そう言って、のだめの音源CDを受け取った。
「それダビングコピーしたやつだから、あげるね。」
「ああ。」
「こないだのリサイタル前に、実家へ送るから録音するって話しになって。」
黒木くんに頼んだらしい。もちろんターニャも一緒に。
千秋君、公演で居なかったから・・・と。
「ありがとう。後で聞くよ。」
受け取ったCDを見た。
あのエロジジィでも、世界の巨匠のシュトレーゼマンとも共演をしたことのあるのだめ・・・。
あいつのピアノ・・・。
「ねぇ、千秋君。」
お茶の入ったカップをテーブルに置き、真っ直ぐ俺を見る黒木くん。
見るって言うよりかちょっとにらまれてる?
「どっちを信用するの?」
「どっちって?」
「あのネットの記事と、僕たちの事だよ。」
「えっ?」
「何にも知らない人が書いた記事と、いつも回りに居た人たちの言葉どっちを信じるの?」
ちょっと考えればおかしいって分かったんだ。
でも、あの記事を見たときに少し信用してしまった。
それも、さっきの平手とパンチを喰らったおかげで、間違いだと気づいた。
はぁ~~~と盛大なため息をはき出す。
「千秋君?」
「・・・俺、何を忘れたんだ?」
だれか教えて欲しかった。けれどそれじゃ意味がないことはわかっていても。
「それは、・・・僕にも分からないよ。僕は千秋君じゃないし。」
「それは・・・そうだよなぁ・・・」
天井を見上げる。
この部屋。俺は知っている。
そして目の前の彼も、その周りの人たちも知っている。
唯一抜けているのは、のだめの存在。
のだめって俺にとってなんだったんだ?
「でも、ずっと見てきた僕から言わせれば、君は思い出さないとずっと後悔することになると思うよ。」
「後悔?」
「うん、君が忘れてしまったものはきっとかけがえのない存在だと思う。」
黒木くんは、俺を見た。
さっきの睨むというより、少し悲しそうに俺を見つめていた。
じゃぁ、僕学校でレッスンあるから。といって黒木くんは帰っていった。
パリ市内某所――――
「ミルヒー」
「のだめちゃん。久しぶりデース。」
のだめは、シュトレーゼマンの元へ訪れていた。
パリ公演を控えて、パリ市内のホテルへ滞在しているミルヒーへ連絡していた。
「こないだのっていってもダイブ前のですが、公演良かったデス。感動しました。」
「ありがとう。ささっ座ってクダサーイ。」
真一と一緒に、見に行った公演を思い出した。
隣に座って、一緒に感動を共有できた。
今となっては懐かしい思い出でしかない。
室内のソファーに身を委ねる。
何か飲みますか?と言われたけど、いりませんと答えた。
「で、電話で言っていた話しっていうのは?」
「・・・あの。一気に話すので、最後まで黙って聞いてもらえますカ?」
のだめがいつになく真剣な眼差しで見たら、ミルヒーもただ事じゃないって気づいたみたいで、イイですよ。とうなづいてくれた。
そして、のだめは一気に感情が爆発したように今までのことを話した。
真一が記憶を失ったこと。
のだめのことだけを覚えていないこと。
そして、それは今も続いていること。
思い出したくないと言われたこと。
Ruiとの記事のこと。
そして、直接聞いた話。・・・Ruiだよ・・・って。
ミルヒーは、真一のことも記事のことも何となし知っているような表情をしていた。
けれど、ちゃんとのだめの話を聞いてくれていた。
たどたどしく、要領のつかめないような話を。
そして、最後。のだめはこれを言わないと・・・。
「あと、のだめのお腹に、子どもが居ます。」
「子どもが居るって・・・、妊娠!!!?」
最後まで黙ってっていうのは無理だったみたい。
少しニッと口角を上げると、ミルヒーはゴメンなさいという顔をした。
「だから。こないだ話してくれたマルレのコンチェルトのお話。断ります。」
ちょうど8ヶ月入るあたりだから、きっと満足する演奏はできない。
それはプロとして自分のプライドとして許せない気がする。
それに、相手はあの真一・・・。
「もう、私が話ししても大丈夫デスか?」
ミルヒーは、のだめを見て、伺うように声を掛けてきた。
大丈夫。これで全部です。と話すと、じゃぁと話を始めた。
「断るということは、産む決断をしている。そうデスね?」
「ハイ。」
「これ、千秋は知っているの?」
「・・・イイエ。」
「言ってないの?」
「ハイ。」
「父親、千秋だよね?」
「・・・この子は、『のだめ』の子どもです。」
そう言って、お腹を摩った。
初めてこの子がここに居ると知ったとき、
びっくりするだけで、どうしようと慌てた。
けれど、ちゃんと病院で居ることを確認した後、
とてつもなく、愛しい存在となった。
あの時、真一くんに電話したとき、当たり前のように喜んでくれると思っていた。
けれど、現実はそうではなかった。
少し寂しいけど、のだめはこの子のために強くなると決めた。
だから、ミルヒーにも話を出来たのかもしれない。
だって、彼はあの真一くんの師匠ですよ。
いつこの子の話しが彼の耳に入るかわからない。
それでも、話をしなければ、前に進めないと考えたから・・・。
なんて、表情をするんですかねこの娘は・・・。
フランツは、のだめのお腹を摩る姿を見て、目を細めた。
慈しみと自愛に満ちたマリアのような表情。
微笑んで自分の子どもに話しかけるかのように目を伏せる表情。
桃が丘へミーナに呼ばれて日本へ行った時、拾ったもの。
それは、千秋真一という指揮者のヒナ。
それと、まだ硬い殻に覆われた野田恵というピアニストの卵。
ヒナは、いつの間にか自分の羽を広げ、少しだけ空を飛べるようになっている。
そして、この目の前に居るかつては卵だった彼女は、ヒナに寄り添うように、成長し、いつの間にか、空を羽ばたこうとしている。
親心とまではいかないが、孫娘のように思っていたのだめ。
いつの間にか、こんな表情もできる女性になっていたんだと気づいた。
やはり、こういう感情面の成長は、女性の方が早いのかもしれないと思った。
つい最近みた、この子の彼氏はそんな表情見せたことがない。
その彼女が、決意を持って、私に話していること。
そして、私がこの子に出来ること・・・。
「決意は固まっているんですね?産むということで」
「ハイ!」
「わかりました。」
のだめは、へっとちょっと間の抜けた返事をしている。
そして、怒らないのか?と聞いてきた。
「別に怒りませんよ。」
「・・・。」
「ただ、『どうしよう』とか、ふらついた考えなら、この場から叩き出してますけどね。」
「ぎゃぼ!叩き・・・!!」
そんなことはないのだと、さっきの表情でわかっている。
だから、私が彼女のために出来ること。
「では、のだめちゃん。私の言う通りに行動できますか?」
「はぎゃ?何をさせる気ですか?」
「大丈夫。のだめちゃん為です。悪いようにはしまセンよ。」
そう言って、ウィンクをする。
立ち上がり、ソファーに座るのだめの頭をポンポンと撫で、
「ちょっと、電話してきます。あなたはこの部屋に居てクダサーイ。」
そう言って部屋を後にした。
千秋さん悶々です。
そして、のだめちゃん決意しちゃいました。
こういうとき、女性の方が強いんですよね。
私も、息子がお腹に居ると気づいたとき、
アワアワとするだんなを一喝したことを思い出しました。
しかし、黒タニャの話を挟めるかな?
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ネコさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
作品お気に召していただいているみたいで嬉しいです。
引き続き、お付き合いのほどよろしくお願いします!
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