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の/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、他の二次創作・二次小説の館です。 ご不快な方、ご理解頂けない方は、ご遠慮下さい。 かなりな、ムラッ気がありますので、更新はまちまちです・・・(爆)
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早朝おはようございます。

とりあえずコレをアップしたら、寝ようと考え中ののんのんです。

ではでは、記憶の~の更新です。

ここまで長くなるとは思ってなかったんですけど・・・。

ほとんど行き当たりばったりなので、ご了承の上お付き合いいただけると嬉しいです。

ではでは、続きからドウゾvv


18.最後の希望


アパルトマンの階段を滑るように下りて、扉を開けて走り出す。
大通りに出て、タクシーを捕まえようと手を上げた。
こう急いでいるときに限ってすんなり捕まらない。

今すぐ捕まえないと、一生あいつを逃してしまう気がして焦る。
あいつの存在を目の前に迎えて、この胸に抱かないと・・・

しばらくすると流しのタクシーを捕まえることができ、乗り込む。

「この住所に行ってください。」
「oui!」

気前の良さそうな中年男性が運転手だった。
乗り込んだまま、俺はのだめがターニャに宛てた手紙を再度見ていた。

「離れることにしたか・・・。」

この言葉をどんな気持ちで綴ったのだろう。
離れてほしくなくて、プロポーズする約束までしたのに。
結果的には、俺は反対の言葉を吐いていたのだ。
自己嫌悪で気分が滅入る・・・。

「お客さん、日本人かい?」
「・・・えっ?ああ、そうです。」
「なんだか今日は日本人のお客が多いなぁ、お客さんで3人目だよ。」
「そうなんですか?」

そういって、世間話を始める運転手。俺はその会話を心持半分に聞いていた。

「さっきは、女の子を乗せて来たところさ。」
「へぇ・・・」
「お客さんも、仕事でこっちに?」
「はい。」
「さっきのお客さんも、仕事って言ってたよ。若いお嬢さんだったよ。」
「そうなんですか・・・。」
「お客さんも若そうだね?」
「・・・そうですか?」
「ああ、俺の娘ぐらいかな?25~6?」
「ああ、そのぐらいです。」
「さっきのお嬢さんはもっと若かそうだったよ。見た目よりも若く見えるんだねぇ日本人って」

そうだなぁ、俺もよく見た目より若く見られる。
だから、なめられることもあるけど・・・。
のだめも、見た目よりだいぶ幼く見える。
けど、あいつの真剣な顔は、やっぱり年相応で、キレイだと思う。
まっすぐに俺に向けられる茶色の瞳。

『・・・ありがとう、先輩』

そう言ったときの、あいつの顔がふっと過ぎった。
あの瞳・・・。記憶がない俺でも素直にキレイだと思ったんだ。

早く、あの瞳を見たい・・・。
そして、早く、この気持ちを伝えたい。
俺は、そう思いながら、タクシーの窓から空を仰ぎ見た。











「メグミ~!タクシー着いたよ~」
「ぎゃぼ~!今行きます!」
「走らないでよ~。大丈夫ゆっくり~!」

ミルヒーが帰っていった後、今日のドレスや小物を風呂敷に包む為用意をしている途中に、
オクレールがタクシーが来たと伝えてきた。
これで、忘れ物は・・・なしっと!

「先生、お待たせしました。」
「忘れ物は無い?」
「大丈夫です。」
「僕たちは、あとでそっちに行くから。会場着いたら、軽くリハしなさい。」
「はい。わかりました。」
「身体は?」
「大丈夫です。走れますよ!」
「いや、走んなくていいから・・・。」

本当に、変わっているねメグミはと少々呆れ気味のオクレール先生。
これあっちで食べなさいとオクレール夫人がサンドイッチの入った箱を渡してくれた。

「本当に何から何までありがとうございました。」
「いいのよ。またいつでもいらっしゃい。」
「そうそう、ピアノ以外でもいいから、話したくなったらいらっしゃい。」
「・・・はいっ。本当にありがとうございました。・・・では後程・・・。」

家の前に止まっているタクシーに乗り込んで、行き先を告げる。
玄関先に出てきていたオクレール夫妻にドア越しに手を振る。
それを受けて夫妻も手を振っていた。ニコヤカに微笑みながら。

車が動き出して、しばらくして・・・。
手の甲の上に涙が伝わった感触で、自分が泣いているのに気づいた。

お互いのことを大切に思っている。そういう夫妻だった。
のだめも真一くんとそうなれると信じてました。
けど、違うんですよね?・・・もうそばにいられないんですよね・・・。
手の甲でグイッと涙を払う。

「お客さん。日本人かい?」
「はい、そですよ。」
「学生さん?」
「いえ、もう仕事してますよ。」
「本当?若く見えたから。何の仕事だい?」
「こう見えてもピアニストなんですよ!」
「へぇ~、今日は演奏会?」
「はい!」
「がんばってね。」

タクシーのおじさんはバックミラー越しにのだめの表情を見ながら、話しかけている。
あっ、泣いてたから変に気を使わせちゃいましたかね?

「さっきの人たちとしばらくお別れするので・・・やっぱり寂しいですね。」
「ああ、そうだったのか。そうだね寂しいね。」
「はい・・・。」
「でも、人は出会って、離れたり別れたりすることはあるけど、またいつか会うこともあるかもしれないしね。」
「えっ?」
「寂しいけど、また会えることを考えるとその分嬉しくならない?」

確かに、別れを恐れて人と出会うことを恐れるより、寂しい別れはあるけれど、次に会えた時にその間あったことを色々話せる嬉しさがある。
いつも公演で部屋に居ないことが多い真一くんを待ちながら、色々考えたな。
今度会ったときに、これを言おう。あれをやろう。一緒に出掛けたいなとか・・・。

今度の別れは、長くなりそうだから・・・。今度会ったときは何日かかるかな話するのに・・・。

「・・・確かに嬉しくなりますね。長ければ長いほど話しが長くなりそうです。」
「でしょう?」

フフっと笑ったのだめに、おじさんもにやりと笑っている。
すっかり、慰めてもらっちゃいましたかね?

「さて、到着だよ。」
「ありがとうございました。」

チップも兼ねて、少しだけ多めに渡した。
おじさんは、演奏頑張ってきてねと言って街の喧騒にタクシーは消えていった。

今日の会場は、マダム・ランベールのお屋敷。
今回はあくまでピアニスト野田恵のリサイタルということで会場を貸してもらっている。
だから、色々お世話になった人たちを呼んでいいわよと言われていた。

オクレール夫妻・ミルヒー・ターニャ・フランツ・ユンロン・アンナ・黒木くん・ポール・・・そして、
真一くん・・・。
記憶がなくなる前に彼宛で手紙を出しておいた。
「届いた。その頃にはフランスいるから聞きに行くよ。」と言っていたから、チケットもってますよね。
でも、・・・きっと彼は・・・来ない。

この演奏が終われば、のだめはしばらくこの場所には帰りません。
だから、お世話になった人たちに、精一杯の気持ちを込めて演奏するだけです!

そう気合を入れて、屋敷の中に入っていった。












タクシーが着いた場所は、ホテルだった。
確か・・・ココって・・・。

携帯を取り出して、相手の番号を表示させた。

「はいは~い。」
「俺です。」
「チアキ?どしました?」
「今、ホテルの前着てるんですが・・・少し時間ありませんか。」
「時間ですか?・・・何かあったみたいですね?」
「はい・・・。」
「そう、ならフロントには伝えておくから、部屋に来なさい。」
「はい。」

携帯を切り、それを手で握り締めた。
そして、最上階のスイートルームのある階を見上げた。
そう、ここはシュトレーゼマンが居を置くホテルだった。
この場所の住所がのだめの手紙に書かれていたということは、ここに居る可能性がある。
もしくは、師匠が何かを知っているかもしれない・・・。

フロントへ行って、シュトレーゼマンに会いに来たと伝えると、最上階へ行くための専用カードキーを渡される。
これがないと、エレベーターに乗り込めないらしい。
最上階専用エレベーターへ乗り込み、その部屋を目指した。

ドアを軽くノックすると、中からシュトレーゼマンが出てきた。

「良く来たね。」
「すみません・・・。」

まぁ、入って。といわれたのでそれに従う。
何か飲む?と聞かれた。けれど何も飲む気になれない。
それよりも聞きたいことが頭の中をひしめいていた。

「まぁ、急いでもあれだし、さ、これでも飲みなさい。」
「・・・あ、ありがとうございます・・・。」

表情に出ていたのか、シュトレーゼマンは肩を竦めながら、
俺の前にコーヒーを出した。それを受け取って、一口含む。
そういえば、あのCDを聞いてから走り回って、喉が渇いていたことに気づく。
もう一口ゆっくり飲み込んだ。

「・・・記憶戻った?」
「・・・はい。今さっきですが・・・」
「そう、どうやって思い出したの?」
「のだめの・・・ピアノの音で・・・。」
「ピアノの音?」
「はい、こないだ録音したのがあったっていうから、それを貰って・・・」
「そうですか、あなた達らしいね。」

そう言って、笑うシュトレーゼマン。
そうだ、俺ここに来た理由があったんだ!

「のだめが、どこにいるか知ってますか?」
「・・・知ってどうするの?」
「えっ?」
「だから、知ってチアキはどうするの?」
「会って、謝らないとと思ってます。」
「それから?」
「それからって・・・」

それからどうするんだろう。抱きしめる。そばに居てくれって願うのか?

「・・・チアキ。」
「はい。」
「のだめちゃんは、ちゃんと自分で決めてるんです。」
「決めてる?」
「ちゃんと地に足をつけて、自分で考えて決めて前を向いています。」

そう、真剣に話すシュトレーゼマンは久しぶりに見た気がする。

「君から離れることにしたとのだめちゃんは言っていました。」
「はい、聞きました。」
「君はどうしたいの?」

答えは決まっている。

「離れることは・・・できません。」
「そうですか。わかりました。」
「・・・それだけですか?」
「クスクス。同じこと聞くんですね。君たちは・・・」
「え・・・。」
「それだけですよ。それを聞いて安心しました。」
「で、あいつはどこに行ったんです?」
「記憶戻ったばかりで、トボケテンデスカ?」

とぼけてんのはジジィのほうだろ・・・とは今日は言えないだろうな。
ってことは、俺がとぼけてんのか?

「今日は何日?」
「はぁ?」
「だから、今日はのだめちゃんのリサイタルの日ですよ。」

ボケボケですねぇ~と笑うシュトレーゼマンと、
呆気に取られた、開いた口が塞がらない俺が居た。












タクシーのおじちゃま、なんだか下りてきました彼が・・・。

以外にいい仕事をしていただけましたかね?

さてさて、徐々に近づきつつありますね。真一君にのだめちゃん・・・。

引き続きお付き合いのほどをよろしくお願いします。


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