忍者ブログ
ADMINWRITE
の/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、他の二次創作・二次小説の館です。 ご不快な方、ご理解頂けない方は、ご遠慮下さい。 かなりな、ムラッ気がありますので、更新はまちまちです・・・(爆)
[30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23]  [22]  [21]  [20
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ネコさん、コメントありがとうございました。

コメントいただけると励みになります。嬉しいですし・・・vv


昨日・今日と、夏休み満喫してきました。

昨日は、楽器屋を求めて池袋さまよい、

今日は、実家近くのプールへ行ってきました。

日焼けして少々痛い・・・。


ではでは、更新です。

決心しちゃったのだめちゃん。

しばしの別れ・・・?

では、続きからドウゾvv

14.愛しき人


『お別れの準備をしてクダサーイ』


昨日から5日後。
のだめのリサイタルがあります。
毎年、ランベール夫人は、サロンコンサートならびに、
リサイタルと、色々な依頼を持ってきてくれる。

それも、とりあえずはエリーゼの審美眼にかかるが、
どれも魅力的らしく、ほとんど予定が合えば、依頼に答えている状況。

その影響か、フランス国内では、そこそこ名が通る程度にはなってきたようだと、
エリーゼが言っていた。
のだめはわかんないですけど・・・?

そのリサイタルが終わり次第、ミルヒーとともにウィーンへ行く事。
ウィーンになら、ミルヒーの家があるから。
そこで、子どもを産みなさいという。
それと、あの家・・・。
元は真一くんの家を出て、オクレールの所へ身を寄せるという事。
全てを知らない人たちと居るのは、ストレスでしょう?と・・・。
確かに、いつ気づかれるかわからない。
気づいてしまった時、きっと・・・。

皆、・・・真一くんを責める・・・。

それだけは避けないと。
私は、ミルヒーの言う通り、一通りの荷物を持ってオクレール先生の所へ身を寄せることとした。

「さて、これで最後デスかね?」

とりあえず必要なものを風呂敷へ包み終わった。

キッチンへ立って思ったことは、
呪文料理もう一度食べたかったな・・・。

ソファーに座って思ったことは、
いつもここに座って、ピアノ見てたのかな・・・。

ベットのシーツを整えながら思ったことは、
彼のぬくもりに何度抱きしめられ、そして抱きしめただろうか・・・。

ピアノを開けて、椅子へ座って思ったことは、
何度、彼に、ピアノを聞かせたのだろうか・・・。

この部屋には、たくさんの思い出があった。
一つ一つ思い返しては、涙が込みあがってきそうになる。
嗚咽は出るけど、もう涙自身は出てこなかった。

ドアに鍵を閉めた。
カシャンという音が落ちる。

お別れの準備というのは、真一くんにもです・・・よね?


オクレール先生の家に行ったら、奥さんが迎え入れてくれた。

「すみません。お世話になります。」
「いいのよ。自分の家のようにゆっくりしてね。」

そうにこやかに笑いかけてくれた。
一室部屋を用意してくれた。
奥さんが部屋を出て行った後、ベットへダイブした。

明日は、ターニャたちに話さなきゃ。
フランクはまたパニックになるんだろうなぁ・・。
ユンロンは怒るかもしれない・・・。
ターニャには、怒られて泣かされるかも・・・それよりもターニャが泣くかな?

色々決意したことを話すけど、絶対・・・この子のことは話せない・・・。
それは、真一くんにも対しても・・・。

彼にもお別れの準備をしなければ・・・。








翌々日――――。

昨日は、ターニャたちに話した。
その前に、ミルヒーの手配で、アパルトマンの部屋の中の物は全て、
ウィーンへ運ばれていた。

ターニャたちには、シュトレーゼマンの事務所から、
拠点をフランスからウィーンへ移すように言われたと報告した。

「何でこの時期に!!」といわれたけど、実は前からだったと嘘をついた。
「千秋は?」と言われたけど、前に話してるから了承済みだと、ただ覚えてないでしょうね?
これも、嘘・・・。

全部嘘で塗り固める。この子を守るために・・・。

まだまだ納得しないが、事務所の話を出したせいか、信用してくれたみたいだった。
今度のリサイタルは絶対来てくれとお願いして、皆とは別れた。
心の中で、ごめんなさいと謝りながら・・・。

そして、今日。
オクレール先生の家で、午前中レッスンを受けてから、出かけた。

彼の家へ向けて・・・。







真一・自宅――――

「さぁ、今日は何弾く?」

見舞いも兼ねて、毎日のようにやって来てくれている。
家も近いから、オケの練習後に寄ってもらうことも多かった。

「じゃぁ、・・・悲愴・・・。」
「また?・・・OK!」

そう言って、・・・Ruiは演奏を始めた。

こうやって、ピアノを眺めながらソファーに座り、誰かの演奏を聞く。
酷く懐かしい感じがした。
そして、なぜ悲愴なのか・・・?毎回必ずリクエストしている気がする・・・。

毎回完璧に弾くRuiの演奏。
でも何かが違う、何かが足りない・・・。
それでもやっぱり、ここのところうまくいかないオケの練習の苛立ちは薄れていくように感じた。




真一のマンションへ来ていた。

真一の家の窓が開いて、カーテンが動くのが見えた。
そして、鳴り響くピアノの音・・・。

顔見なくても、誰が弾いてるのかなんてわかった。・・・Rui・・・。

未だ部屋に入らずとも、今どんな状況なのか手に取るように分かる。

ピアノに向かって弾くRui・・・。
その後方、ソファーに座りながら、演奏を聴く真一の姿が・・・。

それは、約2ヶ月前には、のだめがいた光景。
今の現実は、のだめはココに居る。

それでなんとなく分かった。

やっぱり、のだめは近くに居ることは出来ないんだって・・・。

涙は枯れ果てたのか出なかった。
しばらくして、悲愴の演奏が終わり静寂が訪れる。

きっと素晴らしい演奏だったから、Ruiににこやかに笑いかけているんだろうと思った。
その演奏が聞こえてきたところからのだめの足は動かなかった。
いや、動けなかった。

暫くすると、エントランスにRuiの姿が見えた。
慌てて隠れた。
隠れた位置が良かったのか・・・、Ruiは気づかずに街へと去っていった。

一緒に出てきていないということは、今部屋には一人だけ残っている・・・。

明日からは、本格的に最後の詰めのレッスンが始まる。
今日までが、お別れの準備のタイムリミット・・・。

気合を入れて、真一の部屋へ向かった。

チャイムを鳴らした。

「ハイ・・・。」
「の・のだめデス。」

カチャリとドアが開いた。
たった4日間会ってなかっただけなのに、今すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られた。

「退院おめでとございます。」
「ああ、どうも・・・。」

とりあえず、中へと言われた。
けど、これ以上中に入るのは、苦しかった。
深い海の底へ沈むかのように息が苦しい。
ここで、良いのでと玄関先まで入れてもらった。

真一くんの顔・目を見てみた。
それで分かったのは、やっぱりまだ思い出してくれてないという事。
そんなに眉間に皺ばかり寄せていると、あとになっちゃいますよ・・・。
そう、おちゃらけたかった。けど出来なかった。
視線を下へ降ろした。
・・・会話が続かない・・・。





Ruiは、今日は1曲だけという約束だった。
無理につき合わせて弾いてもらった。
しかも、その曲は「悲愴」・・・。

じゃぁ帰るよ!といってRuiが部屋を出て行った。
暫くして、チャイムが鳴った。
Ruiの忘れ物はないように思えたから、別の客だろうと思い玄関へ行った。

「のだめデス。」

退院当日来ると言っていた奴が、やっと来たのか。
内心呆れながら、ドアを開いた。

へへっと少し笑ったのだめが立っていて、その姿を見た瞬間。
Ruiの演奏を聴いたときと同じような懐かしさを感じた。

中へ入ればと言ったら、ココで良いからと玄関先まで入れた。
少し苦しそうな顔をするのだめの表情が気になった。

暫く沈黙が続いた後、その沈黙を破ったのはのだめだった。

「千秋先輩・・・。」

下を向いたままなので、表情はわからなかった。

「何?」

「のだめの事、振ってもらえませんか?」
「はぁ?・・・」

何だか分からない。何なんだこいつ急に・・・。

「のだめ、実は好きな人が出来て・・・。」

そう、俺に目線を合わせないまま、話すのだめ。

「で、先輩は覚えてないかもしれないんですけど・・・。」

そう、俺は知らない。彼女だったなんて記憶はない。

「でも、のだめには記憶があるんです。」

俺が知らない、俺とのだめの思い出・・・。

「前に進むために・・・忘れるために・・・、のだめのこと振ってもらえませんか?」

そう言って、俺の目を見たのだめの表情に驚いた。

ゆるぎない瞳・・・。そして決意した凛とした顔・・・。

単純にキレイだと思った。
けど、そんな筈ないと、頭の中の感情を消し去る。

『別れよう』このたった5文字の言葉を聴きたくて、のだめはここに来ているのがわかった。

俺は、ロボットのようにその言葉を吐き出していた。

「わかった・・・。俺には・・・お前は必要な人間じゃないと思う・・・。別れよう。」

彼女だなんて結論がなかった。
だから、言えたのかもしれない。
けど、この言葉を吐いた瞬間から、罪悪感だけが心に残る。

そう口にした俺に対して、ありえない答えが返ってきた。


「・・・ありがとう・・・。先輩・・・。」

にこやかに微笑んだのだめの表情。
あまりにも儚げで、このまま霞の如く、消えてしまうような感覚がした。

俺に対して、くるりと反転して、ドアのノブに手を掛ける。

「・・・のだめ・・・、すごく幸せでした・・・。さよなら・・・。」

そう言って、ドアを開けてあいつは出て行った。
そのドアが閉じるのを俺はただ見つめていた。
心の中でさっきの罪悪感を感じた部分が警鐘を鳴らしている。止めろと・・・。
でも、俺は動かなかった。

ドアがカチャリと閉まった後、目線を下へ下げた。

先ほどまでのだめが立っていた場所・・・。

玄関の床が、数滴の涙で濡れていた・・・。











子どもを守るため、沢山の嘘をつくのだめちゃん。

このまま離れ離れ?

それは次回のお楽しみということでvv

ではでは、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします。

拍手[18回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
切なすぎる・・
すごく切ないです。のだめちゃん健気ですね。千秋くんはやく記憶取り戻してほしいです。
ネコ 2009/08/17(Mon)09:59:34 編集
Re:切なすぎる・・
コメントありがとうございます。
なんだかんだ言って、支えられているのは千秋のほうかと私は思います。
のだめちゃんの愛は偉大なんです。
こんな解釈のため少々のだめちゃんには辛い話が続いていますが、
引き続きお付き合いのほどよろしくお願いします。
のんのん  【2009/08/17 15:24】
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[03/20 ほりっち]
[11/16 まぽ]
[10/23 ほりっち]
[10/08 ほりっち]
[09/30 ほりっち]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
のんのん
性別:
女性
職業:
きままなOL兼母親実行中
趣味:
妄想?
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ CHOCOLATE CRUNCH? ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]