ハッピーハプニング １

思い立っていきなりの連載スタートっす。

今回は、のだめも愛している私ですが、

花男も負けず劣らず愛しています。

そんなわけで、勝手にコラボシリーズ♪をお送りします。

あくまでストーリーの主人公はちあのだですｖｖ

花男見ていなくてもわかるようにできるかわかりませんが、

興味のある方は続きからどうぞｖｖ


初回は、ヨーロッパ･フランス･･･って連想したら、この人が出てきたので・・・
その方視点です。ちあのだに会います。

１．


眠い･･･。今日は何処で、時間つぶそう･･･。

ここは、パリ市内。
さっきまでは、仕事関係の奴らに囲まれてうんざり。
早く終われ終われと心で願いながら過ごす。

でも、この運命には逆らえない。
生まれたときから、否、生まれる前から決まっていたレール。
素直に乗っかる気は最初なかったけど、
でも、俺に少しでも権力・経済力があれば、
あの騒がしい二人が困ったときでも、助けられるかもしれない･･･。
そう思ったら答えはすんなりと出た。

相も変わらず騒がしいあの二人は、今アメリカ。
約束の４年なんてあっという間に過ぎて行った。
そして、約束どおり、あいつらは結婚するんだろう。
元々張り合うつもりなんて無いけど、近頃やっと素直に祝福できるような気がする。

そんな事を考えながら、俺は裏通りにあるひっそりとした喫茶店に入った。

ジャズテイストのＢＧＭが流れる店内。
どうやら、店主一人で切り盛りしている、とても小さな喫茶店。
でも、こういうほうが俺は落ち着く。客もどうやらお昼の喧騒もなくなった時間らしく、俺一人だけ。
騒がしいのは苦手だからありがたい。

「いらっしゃい、何にするかい？」
「じゃぁ、紅茶ストレートで」

そう言って、カウンター席に着く。
店内は、ごくごく普通の喫茶店。
ただ、少し違うかなと思うのは、あの大きなグランドピアノ。
なんで置いてあるのか聞いたら、

「ここから音楽院が近いだろ？たまに生徒が来て弾いてくれるんだよ。」

ああ、そうか。ここから近いんだったっけ。
俺もバイオリンをやってたことがあるから、名前だけは聞いたことがある。

どうぞ。と言って出された紅茶に砂糖を２本入れて口を付けた。
その時、

「マイクさーん。カフェオレ下さーい。ウキュ！」
「俺、コーヒーブラックで。」
「はいはい、いつものだね。ちょっと待ってて。」

すこし騒がしい感じで入ってきた。
男の方は、黒髪･･･ってことは日本人？
これまた全身質素に纏めた感じ。
女の方、っていか女の子って表現の方がいいのかな？
薄茶色のボブカットの髪。ブルーのパステルカラーのワンピースを着ている。
両方日本人なのはわかった。

席に着くなり、男の方が少し疲れた感じ。女の子の方も少し機嫌が悪い？
最初オーダーの時はフランス語だったけど、日本語で話し始めた。

「なぁ、謝ってるだろ。」
「それが謝っている態度デスか！！」
「･･･俺が悪かった。」
「のだめ、楽しみにしてたんですよ～。」
「だから、」
「せっかくおしゃれして、行こうと思ったのに。」
「うっ」
「先輩のカズオ･･･」
「カズオじゃねぇし。」
「じゃぁ、ムッツリ･･･」
「ムッツリでもねぇ！」
「じゃぁ、あんな痕つけたのは誰ですか！！ムキーッ！！」
「お前日本語だからってそんな大声で言うんじゃねぇー！！」

ここで、俺が日本語分かる日本人だって言ったら、どうなるのかな？あの二人。
日本語だからってことは、他に日本語分かる人が居ないのを条件に話しているってことだろ？

どう見ても喧嘩はしているけど、どこか甘くて、のろけられているみたいに聞こえる会話。
結局のところ、

「･･･呪文料理。」
「えっ」
「先輩がのだめの言うこと聞いてくれたら許します。」
「･･･そんな簡単な事でいいのか？」
「ウキュキュ。いいですよー。だって、真一くんがのだめの事好きで好きでしょうがないからあんな･･･」
「これ以上いうな！」
「･･･照れてるぅ～。」
「くそッ」

机の上に置いてあった男の手を、女が指でつつく。
そのつついていた手が、男の手に飲み込まれる。
そこまでは我慢したんだよ俺だって。でも、


「クククク････。アハハハハ･･･」
「「？」」

急にカウンターに座っていた俺が笑い出して、
その二人は頭にはクエスチョンマークが見えるような顔。

「ああ、ごめん。全部聞いてて･･･」
「ギャボッ、日本語！！」
「げっ」


そう、これが俺とあいつらとの初対面だった。





「大きな声で日本語でしゃべってるから、つい堪えられなくて･･･。」
「別に･･･」
「あっ、日本人サンですか？」

店主が勘違いしたのか、こっちでお前も飲めばいいと、
二人の席に俺の紅茶も移動してくれた。

まぁいいか。暇つぶしできそうだし。

「そうだよ。何？留学かなにか？」
「ハイッ！のだめは留学です。」
「のだめ？」
「ああ～、野田恵略してのだめです。」
「へぇ、のだめね。」
「ハイ～！でこちらが、夫の真一くんです☆」
「夫じゃねぇ！」
「プッ・・・クククク･･･」

初対面の奴に会って、笑ったのって初めてな気がする。
まぁ、慣れない土地に放り込まれて俺も大分日本が恋しくなってきているかもしれないし、
そもそも、この二人が作る雰囲気に飲まれているからかもしれない。

「俺は類。」
「類さんですねぇ～。こんなところで日本人のお友達が出来マシタ☆しかもカッコいいですネェ～類さん！」
「別にそんなことないよ。」

あ、とりあえず、のだめ俺を褒めるの止めてくれないかな。視線が痛い。

「真一のほうがカッコいいだろ。」
「ハゥ～！当たり前です！！」
「ッバ！バカ！！恥ずかしいこと口にするな！！」
「でもでも、違うカッコよさがありますよねぇ類さん。」

だから、にらむなって真一。

「類さんは仕事でコチラに？」
「そう、仕事だよ。」
「じゃあ真一クンと一緒デスね。」
「何？会社員？」

まぁ広ーい意味で言えば、

「そ、会社員。」
「真一くんは、指揮者なんですよぉ～」
「指揮者？」
「ハイ～。マルレの常任です。」

マルレって、結構古い楽団じゃなかったかな？
それが、俺と同じぐらいの奴が常任やってるんだ。

「へぇ～、俺も前はよく行ったよ。マルレの定期公演。」
「昔とはまた一味違いますよ。近頃のマルレは！！」

ねっ真一くんといって、真一に笑顔を向けるのだめ。
そののだめに恥ずかしいながらも、微笑む真一。

何だか、この二人を見ていると、あの騒がしい二人を思い出す。

・・・ああ、そうかだからなんだ。

「やっぱり、俺の知り合いに似ている。」
「へ？」
「ギャボ？」
「ところどころ、設定のちぐはぐさはあるけど・・・クク」

俺様で、一人の女しか愛せない男とその男に振り回されていつの間にか隣にいる事を選んだ女。
純粋無垢で一人の男を愛する女とその女に振り回されていつの間にか隣にいる事を選んだ男。

そう、頭の中で考えながら、クスクス笑いが漏れる。
そんな俺を見ながら、のだめと真一は？を頭に浮かべていた。

どうも、俺はこういうカップルに縁があるらしい。
ただの暇つぶしのつもりが、すごく面白い二人と知り合いになれた気がする。

「今度行くよ。マルレの定演。」
「本当デスか～！！是非会員に！！」
「宣伝するなばかのだめ！！」

そんな騒がしいお昼を過ごしたのは久しぶりだった。

真一のＴＥＬ番を教えてもらい（のだめのは断固拒否された真一に）、
また会いましょー！と手をふる二人と別れた。





その後、真一とのだめは、知るのです。

「おい、この雑誌！！」
「ナンデスカ？」
「これって、･･･」
「「類！！」」

こないだ受けたインタビューの記事をみて、知ったのです。

彼が、花沢物産の御曹司。花沢類であることを･･･。

「すげぇ奴と知り合いになった気がする。」
「デスよね。」
「あっ、俺より年上！！」
「ホントです。見た目変わらないかなと思ってたんですけど。」

人生どこにどんな出会いが転がっているのかなんて分からないものです。











ということで、新連載１弾目ということで、登場していただいたのは、

花沢類です！！
いちおう設定的には、大学院卒業後フランス拠点で跡取り修行中ということでｖｖ

フランス・バイオリンっていうことで、出てきても何ら違和感ない感じだなぁと思って、
第１弾のゲストとして登場です。

（ちなみに、のだめと真一の喧嘩の原因は、「背中」をご覧下さい。
後日、埋め合わせのためのデートをしている最中っていう設定です。）

楽しんでいただけたら幸いです。

かなり見切り発車中。コメントいただけると大変うれしいです。